ノートまとめ好きに朗報!ある1つのポイントを押さえればまとめも決して悪くない

先週から続いている風邪をこじらせてしまい、喉が大変な事になっています。小学生の個別指導とか、問題たくさん解かせてちょっと喋る量を減らそうかな、なんて目論んでいたのですが、見るに見かねて喋りまくってしまい後悔するという根っからの塾講師ですこんにちは。

昨日は他教室の高校生指導をしていました。普段だと高校生はそれほど質問してこないので喉の負担的にラクなのですが、今はテスト期間真っ最中。さすがに普段のほほんとしている彼らも緊張感タップリです。もはや危機感を通り越して悲壮感さえ漂っています。

そんな中、授業プリントから要点を抜粋してまとめようとしているAさん。授業プリントは10枚ほどありますから、全部覚えるのは大変ですからね。抜き出したい気持ちは分かります。

塾のプロたちから忌み嫌われる「ノートまとめ」

出ました、ノートまとめ。たいていどの塾講師に聞いても同じ返答があると思いますが、やってはいけないNG勉強でベスト3に間違いなく入るんじゃないかと思われるのが「ノートまとめ」です。

理由はいくつか挙げられます。

まず、意味が無いこと。

教科書やプリントをまとめようとしても、要点がつかめていない状態ではまとめられません。また、プリントは学校の先生がぜい肉を削り落として要点のみを抜粋したもの。つまり既に「まとめ」の状態になっています。

プロである学校の先生がまとめているものを更にまとめるなんてこと、生徒の能力で出来るはずがありません。

また、時間がかかり過ぎるのも弱点です。

決してノートまとめが一概にダメということは無いですが、やはり時期的なことを考えると、ダメと言わざるをえません。

基本的にズボラな人がノートまとめなんかしないでしょうから、やはりマメな人がノートまとめをやるでしょう。そういう人が、文字が読めればOK、色づかいも赤と黒だけで書かれた自分のノートに満足できるとはとうてい思えません。

見やすくまとめるのは大変結構なこと。しかし、肝心なのはまとめてからが本番ということです。それをインプットする時間、覚えたことを確かめるアウトプットの時間がそれぞれ大量に必要です。まとめたノートを覚え切る時間がないのなら、最初から先生のプリントを使って勉強すれば良いだけの話です。

このように、デメリットはあれどほとんどメリットがないノートまとめですが、私が考えるに唯一優れた点があります。なんと件のAさん、それを私の目の前で実践してくれたのです。

ノートまとめは自分の言葉でまとめる

Aさんは生物のまとめをしていました。そこで私に質問が飛びます。

「ねぇ先生、嫌気呼吸と好気呼吸の違いってこういうこと?」
「そうそう、その2つの点が分かればOK」
「はーい」

そう言って、自分がプリントを見て理解した内容を言語化してまとめていきます。実はコレが大変重要です。教科書に書いてある事実をただインプットするのは理解ではありません。その事実を近い言葉で言い換えて説明できたり、ザックリと大まかに捉えたり、他の例に当てはめたりすることができたとき、初めて「理解出来た」と言えるのです。

ちなみにこれを、「抽象化」と言います。具体的がもてはやされる昨今ですが、実は自分が理解するときは出来るだけ抽象的に捉えた方が良いのです。

先ほどの嫌気呼吸と好気呼吸の例で言えば、「好気呼吸は酸素を使った呼吸で38ATPを生成し、嫌気呼吸は酸素を使わない呼吸で2ATを生成する。」が先生のプリントに載っている事実です。とても具体的ですね。

しかしAさんはこう理解しました。

「好気呼吸は酸素を使った分だけたくさんATPを作るから、色々な事ができる」

これが抽象化です。適当そうに見えて、核心は捉えています。

私が質問を続けます。

「じゃあ人間はどっちをする?」
「好気呼吸でしょ」
「なんで?」
「体大きいし、色々できるじゃん?」
「じゃあどんな奴が嫌気呼吸するの?」
「ちっちゃい奴」
「そう、それがバクテリアとかのことだね」
「そういうことね~」

色々繋がったようです。こんな調子で試験範囲である異化・同化の話を中心に説明を補足してあげながら進めていきました。その都度Aさんは自分の解釈を披露しながら納得してノートにまとめていきました。

こうして出来上がったまとめノートは、先生のプリントや生物の教科書のものとはひと味違った、自分にとって理解しやすいものに仕上がったのです。

そしてAさん、最後にとどめの一言。

「結局自分の言葉にするのが一番分かるよねー」

そういうことです。

まとめ

ノートまとめ自体がダメなのではなく、まとめ直す行為に「頭を全然使っていない」うえ、時間ばかり浪費してしまうことがダメだという事です。

よく「教えるつもりになって勉強すると良い」と言われます。それは事実であり、我々のような教えるのを生業としている人間の場合、何かを覚える際には教えることを前提に理解をしていくので、勉強の効率が段違いなんですよね。

それは上っ面だけを覚えようとするからではなく、頭を使って深く理解しようとするから。そして、自分が説明するならこんなふうに…という言い換えだったり、例示だったり、そこまで深く考えているからです。

せっかくノートまとめをやるなら、Aさんのように自分なりに消化して、自分の理解した言葉を使ってまとめるのが良いでしょう。それならノートまとめも捨てたものではありません。

授業がある程度の範囲進んだタイミングでこのようなまとめをしておくと、まとめるだけでなく、理解も深くなって一石二鳥です。早めのタイミングが肝ですね。

さて、Aさんは昨日寝られたのでしょうか。
Aさんのノートは意外にもたった1時間くらいで完成したのですが、その時点でテスト本番まで残り10時間(笑)

ま、寝ないで覚えれば大丈夫でしょう。

それは悪い例ということで。