県西地区は倍率低いんだからアレコレ騒いでちゃダメ

昨日ウチの教室のターゲット校である泉中学校は公立高校入試の出願を済ませてきました。志願変更の予定が無い生徒は、これで目標が定まり、さあ残り2週間で最終仕上げにかかろうというタイミングです。

そんな中、昨日ある中3生が自習に来たそうそうこんな発言を。

「先生、西湘の倍率ヤバいらしいよ!」

あーはいはい、案の定どうでも良い情報に踊らされてるのね。

まず、その生徒の受験校は西湘高校ではありません。100歩譲って自分の受験校なら騒ぐのも分かりますが、ただの野次馬で騒ぐのは時間のムダの極みです。倍率は確定まで気にする価値はないことを説明し、さっさと自習に取りかかるよう指示をしました。基本的にそんなことくらいで騒ぐ子ではありませんが、受験期というセンシティブな時期だからなんですかね。

そして本日1/31志願変更前倍率が確定したので、ヤバいと評判の西湘高校を見てみました。う~ん、確かにやや高めですが、これは出願前から予想された通りですので、全然ヤバいとは思えません。

このように、生徒同士の情報は背びれ尾ひれがついて大げさに伝わります。必死で不確実な情報をいち早く取り入れようとしてネットを彷徨っていた子たちは、どれだけムダな時間を損失したことでしょうか。いい加減学校側が注意喚起をしないのでしょうか。それとも先生も一緒になって盛り上がっているのでしょうか。

県西における1/31志願変更前倍率はどんな情勢か?

いつも通りです。
ではみなさん、受験勉強に戻りましょう。

いやホント、受験生はこんなの読んでないでさっさと自分の勉強に戻って下さい。ここから先は保護者の方向けに少々解説します。

トップ校はやや高め

高校名 募集定員 1/31出願者数 1/31志願変更前倍率 前年度倍率 前々年度倍率
小田原 318 428 1.35 1.15 1.18
平塚江南 318 435 1.37 1.18 1.25
厚木 358 474 1.32 1.25 1.29

近隣の3校ほど取り上げると、いずれも1.3倍前後の倍率です。全体的に昨年より0.1ポイントほど上昇しています。とはいえ、取り立てて高いわけではありませんので、ボーダーラインが大幅に上昇する事も考えづらいでしょう。

特色検査を廃止した小田原高校に人気が集中するかと思いきや、平塚江南も高め水準ということで、トップ校を目指すような生徒像は特色検査の有無で志望校をねじ曲げたりしない、ということが伺えます。むしろ、特色検査が無いから小田原を、なんて後ろ向きな子ははじき飛ばされてしまいますね。

小田原高校は別の理由によって注意が必要です。今年度の入試から特色検査が廃止され、面接試験が形骸化した今、すべての受検生が学力検査一本の対策に絞ってきています。こちらの要因によるボーダー上昇の方がむしろ危険です。倍率はともかく、特色検査廃止の影響でボーダー上昇が10点以上あってもおかしくないと考えています。

どうした大磯高校?2番手以下は今後の動きが予想される

トップ校以外の2番手、3番手の学校を見てみましょう。チョイスはウチの塾生が多く受験する高校です。

高校名 募集定員 1/31出願者数 1/31志願変更前倍率 前年度倍率 前々年度倍率
秦野 358 407 1.14 1.15 1.18
西湘 308 422 1.37 1.11 1.28
大磯 278 262 0.94 1.23 1.19
伊志田 308 347 1.13 1.13 1.21
茅ヶ崎 278 428 1.54 1.33 1.41
足柄 238 272 1.14 1.11 1.09

大磯高校に何があったのでしょうか。むしろ倍率が高めになった西湘高校よりインパクトが大きかったです。これが後々の志願変更で台風の目となることが容易に予想できます。

さて、西湘高校の倍率が上がったのは、定員が減ったにも関わらず、出願者が増加したからです。とはいえ、今年から何かが大きく変革した訳ではなく、この高校によく見られる「隔年現象」による揺れ戻しでしょう。前年の倍率が低いと狙い目に映るため、翌年の倍率が高くなる。これが隔年現象です。

後ほど触れますが、ビビったら負けの様相です。

西湘高校を出願している生徒層を考えると、レベルが上がっている訳ではないと予想できます。上位校を狙えるにも関わらずあえて西湘高校を受けている生徒はあまり多くないでしょう。なぜなら、上位校の倍率がそこそこ高いからです。上からの流入でないとすれば、下からの流入と考えられます。つまり、ちょっと背伸びをしている子もある程度いるということです。

この場合、倍率が高いことによって急激にボーダーが上がる事は考えづらく、昨年通りかわずかな上昇にとどまるのではないでしょうか。

定員割れ連発の専門学科

普通科以外の専門学科は、少々極端な結果となっています。近隣の3校を取り上げてみます。

高校名 学科・コース 募集定員 1/31出願者数 1/31志願変更前倍率 前年度倍率
小田原東 普通 118 133 1.13 1.14
ビジネス 118 102 0.86 1.22
小田原城北 機械 78 71 0.91 1.26
建設 39 51 1.31 1.00
電気 78 83 1.06 1.17
デザイン 39 41 1.05 1.00
吉田島 都市農業 39 35 0.90 1.26
食品加工 39 56 1.44 1.18
環境緑地 39 16 0.41 1.15

前年度と打って変わって定員割れまくり。明らかに敬遠されている感があります。こういった専門科を目指して受験勉強に取り組んでいる生徒を見ていると、非常に前向きでポジティブな印象を受けるのですが、全体的に受検生が集まっていません。

下手に定員割れをすると大幅に全体的なレベルが下がります。それは本来入れない生徒が入れてしまったり、定員割れが確定した段階で受験勉強を実質止めてしまう子がいたりするためです。

志願変更による動きはどうなるか

志願変更を念頭に置きつつ出願した人は、倍率の高低はさすがに気になるところ。もちろん私の分析によるところですが、情報を発信しておこうと思います。

トップ校からの天下りは一定数ある

さすがに1.3倍を超えてくると、無謀な挑戦をした子や得点力に自信のない子は動きます。とはいえ、10名前後が1つ下げる程度にとどまるでしょう。すると、今年はそこそこ倍率の低い秦野高校が狙い目になってきます。恐らく秦野高校から流出する子はほとんどいないでしょうから、0.05ポイントほど倍率が上がると思われます。

ちなみに、高校の情報が不足している方の中には小田原から西湘へ下げる生徒も一定数いますが、コレは大幅に下げすぎです。親世代(どうやら私もその世代らしいですよ)の印象だと、小田原の下は西湘でした。学区制度がありましたからね。しかし、学区はとっくに撤廃され、選択肢が増え、中間的なレベルの高校がたくさん選べます。大学への進学実績が比較にならないほど変わってしまいますから、下げすぎには注意しましょう。

中堅校は大磯高校に集中か

大磯高校ほどの学校が定員割れというのが異常事態ですので、間違いなく大きく流入があると思われます。ちょうど似たようなレベルの西湘高校が比較的高めの倍率になっていること、逆に下の茅ヶ崎高校が人気すぎることから、大磯高校に上下から30人ほど変更してくるだろうとの読みです。

西湘高校は最終的に1.3倍を切るまでになると予想しています。ちょうどおととしと状況が似ているため、同じような動きをするでしょう。

専門学科は同じ高校内での変更多し

複数のコースがある小田原東、小田原城北工業や吉田島などは、定員が割れているコースにスライドして終了と思われます。いつものパターンです。吉田島の環境緑地コースはそれでも大幅に割れすぎているため、最終的に定員割れのままの公算が大きいと思われます。

環境緑地、理科好きの私からするとなかなか面白そうなのですが、吉田島のレベル帯は理科で苦しめられている生徒が多いでしょうから、食指が伸びないのかもしれません。昨年進学した子は楽しそうにのびのびやっているみたいですけどね。

まとめ

ここ県西地区は、大して高い倍率にはなりえない地域です。単純に人口が少ないですもんね。

1.3倍を超えたら「高倍率だ!」なんて騒がれているくらいですが、そんなことくらいでピーピー言っていると、他の地域から嘲笑されますよ?

1.3倍の倍率は、4人中3人は合格するという事です。なぜか受検生は皆自分が4人中1人の不合格側にいると錯覚しがちですが、その高校まっしぐらに努力を続けて来た人は、そうそうそんな低確率の下位に甘んじる事はありません。

大事になるのは、自分の得点力がその高校のレベルに足りているか、その1点です。倍率に心揺れ動かされて落ち着いて勉強が出来なくなってしまったら、肝心の得点力に揺らぎが起こります。

倍率が上がって多少ボーダーが上がるとしても、ここからの2週間でその上昇分だけ自分の得点力を上げることは十分に可能です。中学生の吸収力は大人の比ではありません。まだまだ未熟である中学生は、裏を返せばまだまだ伸び代にあふれているということでもあります。

まずは冷静に倍率を見て目標を早く定め、その後は脇目も振らず必死に努力をしましょう。ボーダーを超える得点力を手に入れてしまったら、倍率なんて全く関係ないのですから。

受検生のみんな、この馬鹿馬鹿しい倍率協奏曲から一線を置いて、残り2週間頑張ろうね。