頑張ったのに模試の点が下がってしまった、それはごく当たり前のこと。

中3生は先日2回目の入試対策模試を行いました。2週間に1回のスパンで行われる塾内模試、数日間で模試の直しをして、そこから勉強の計画を立て、10日前後課題の克服に取り組む、この流れを初めて行いました。

模試は現在の得点力を測る意味合いもありますが、本格的な入試勉強を始めてまだまだ時間も経っていないこの時期、合格点に達しているかどうかの判定はほとんど意味はありません。ここから2ヶ月で大きく得点力は変化するからです。

もう一つの大きな目的である、現在出来ないところを探し出すことの方がはるかに重要と言えます。

この状況で直しが適当な場合、何度模試をやろうが何の意味もありません。ではキチンと復習をしたから今回の模試が上がるかというと……実はまだ下がる可能性の方が高いのです。

模試の点が下がってしまった原因

さて、ふたを開けてみたら上位層のかなりの生徒が前回より得点を落としていました。頑張っていたのに模試の得点が下がるのは、いくつかの理由があります。

頑張ったつもりだった

入試勉強をやり始めたばかりの受験生は、自分がもの凄く頑張っていると錯覚しがちです。普段テレビを楽しんでいる時間を少し勉強に費やしているのですから、勘違いするのも無理はありません。

後述しますが、模試で得点を伸ばすには「ある条件」が整わないといけません。そのためには場数が必要ですし、膨大な勉強時間も必要です。

ちょっと平日いつもより勉強した程度では、模試を伸ばすために必要な勉強量は確保できません。しかし、自分の感覚としては自己ベストを尽くしているつもりなので、「何で今回は頑張ったのに下がったんだろう」と落ち込んでしまいます。

落ち込む必要はありません。単純に頑張りが足りていないだけですので。

勉強は時間で測れるものではありませんが、目安として平日の勉強時間が4時間未満だった場合、明らかな時間不足です。また、休日に1日家にいたにも関わらず、平日と同じだけしか勉強時間を確保できなかったとしたら、もはや定期テスト勉強以下です。

勉強の内容が的外れだった

勉強量が確保できていても、勉強内容が模試の反省を反映されていない場合は効果が薄れます。ましてや、その日の勉強を始めようというその瞬間に何をしようか考えているような行き当たりばったりっぷりでは、正しい学習が出来ている可能性は限りなく低いと言えます。

模試の直しをすると、嫌でも自分の弱いところと向き合うことになります。そこで見つかった弱点を徹底してつぶせていれば、次に同じ分野の問題と出会ったとき、正解できる可能性が高くなるでしょう。

例えば、数学の放物線と直線の問題が苦手で、(ア)を正解するのが精一杯だったとします。そこで、是が非でも(イ)までは解答したいと考え、過去問や入試問題集の直線を求める問題を徹底的に演習すれば、(イ)の正解率は飛躍的に上がります。4点を確実に取りにいく積極的な勉強です。

ところが、ピントがぼやけると効果は出ません。

数学が振るわなかったから、とりあえず過去問の数学を何年分も繰り返したとしましょう。まず無駄なのが、自分が間違える可能性が低い問題も演習に含めている点。過去問を1年分やろうとすると、楽々正解になる問題も手も足も出ない問題もごちゃ混ぜです。限られた時間ですから、出来ないモノに絞らないといけません。

さらに、1つのパターンを確実に身につけること無く手広く勉強しているので、虻蜂取らずになり中途半端な成果に終わる事が多いのです。

そのため、確実にマスターした部分がはっきりせずに次の模試を受けることになります。果たして結果は振るわないことでしょう。

頑張ったのと違う分野が出題された

私が前回の模試の後、まず生徒に話したのはこのことです。

模試の直しをちゃんとやりなさい。

そして、その結果から見えた課題をピンポイントでつぶしていくこと。
例えば、英文で分からなかった単語はエコ単に書き込んで同じミスをしないようにする。
NGOが分からなかった人は、アルファベットの組織をまとめて暗記する。
地震波の速さの計算はP波、S波どちらが出ても大丈夫なようにしておく。

こうして確実にマスターする分野を決めて、次の模試までの勉強を進めなさい。

でも、次の模試ではきっと得点が下がるよ。
今回出た問題が出るわけじゃない。
むしろ、今回とは違うところを狙って出題されるだろうね。

モグラ叩きのようなもんだね。
穴が見つかったらとにかく1つ1つつぶしておく。その繰り返し。
でも、広いとはいえ範囲には限りがあるし、出題されやすい分野もある。
ちゃんと復習した分野とは必ずもう一度出会う。
そのとき確実に得点できるように準備しておこう。

正しく復習していれば必ず伸びていく

私が言いたかったのは、直ぐに結果につながることは無いけど、本番のために勉強をしているのだから、計画的に弱点をつぶしていくのが重要だと言うこと。それだけです。

模試や入試で得点を伸ばせる条件は「問題が正解になるための知識が埋まること」です。

入試問題は、1つの知識で解けるものではありません。4択問題だとしたら、4つ全ての知識がそろっていないと正解にはたどり着けないでしょう。合っていたとしたら、それはたまたま運が良かっただけです。

頑張って勉強をして身につけた知識が3つあったとしても、あと1つが足りずに不正解になる。こういったことが往々にしてあります。

逆に言えば、なかなか得点に結びつかなくても、弱点が埋まりきったタイミングで突然急激な伸びを見せるということです。片っ端からピースが埋まり始めると、唐突に得点力がついたように思えます。しかし、それはその子がコツコツ積み上げてきたものが実を結び、穴をすっかりふさぐことができたことの表れです。

大体弱点が埋まりきるタイミングは、例年冬期講習後の模試あたりが普通ですね。そのくらいから「やればやるだけ伸びる」感覚が得られる事が多くなります。それまではやってもやっても違う問題でミスをするのが普通なのです。

そんな忠告を繰り返し聞かされていたウチの教室の生徒たちですが、テスト直しの質が高かった生徒はもれなく伸び、適当にこなしただけで私からダメ出しを食らった子はもれなく下がりました。

実は内心、全員一回下がって痛い目を見ても良いかな、と思っていたので、なかなかの躍進ぷりに驚いています。確かに今年の中3生はなかなかガッツのある生徒揃いですので、この冬期講習でひと叩きしてどこまで伸びるのか、楽しみです。