2019夏期特訓のお知らせ

未熟なコミュニケーションしていませんか?国語力は会話1つで変わります

小学生の個別指導をしていたときのこと、そろばんに通っている子のお稽古中の会話がふと聞こえてきました。

「先生、答え~」

私ならブチ切れてますが、そろばんの先生は「優しい女性の先生」という売り文句ですので、さすが大人な対応をしていました(怒らせると大変怖い先生ですが)。

まあ、良くある「先生は答えではありません!」なんてちょっとベテランの先生にありがちな馬鹿馬鹿しい指摘をしたい訳ではありません。上の台詞を吐いたのは小1の子ですので、まだまだ日本語が未熟なんだね、と済ませたくなるところですが、そういう保護者の「まだこんなものでしょ」という認識は大変危険であると声を大にして言いたいのです(代わりに文字を大にしてみました)。

2語文は2~3歳児のレベル

「先生/答え」という文章は、いわゆる「2語文」というものです。言語発達は個人差が非常に大きい部分でもありますので、一概には言えませんが、一般的に2語文を発声するのは2~3歳児です。

表現は大変悪いですが、「先生答え」の子が話している言葉は2歳児レベルです。これを見過ごしたまま会話レベルが上昇しなかったら、国語力が向上するはずありません。何年生になろうが学年なりの文章構成は出来ないでしょうし、読み取る事も大変難しくなるでしょう。

会話する機会が一番多い保護者が問題視し、危機感を持ち、よく観察するなり改善を図るなり、対策を講じる必要があります。所詮我々が会話をする頻度は週に1回や2回、たった数分です。親の接している時間とは比較になりませんからね。

述語を使わない子ども

小学5年生が最近国語で学習したのは、文章の構造です。そこでポイントになるのが「述語」。ところが、この「述語」が分からない子が異様に多いことに驚きます。私が指導していて「普通の学力」を持つと感じた生徒の場合、たいてい「述語」が何かを説明できません。もちろん小5ならとっくに習っていますので、多少なりとも回答があってしかるべき。ですが、まともな説明が出来るのは上位層の子に限られます。

そして、「普通の学力」だと「述語」の説明はおろか、述語を正確に探すことも出来ない事が多いのが現実です。文の要素のうち、述語を探すのは主語を探すのに比べてはるかに簡単ですよ。主語は述語が見つからないと探しようが無いですし、そもそも省略されている事もいいのですから。

まあ、なんとなく苦手になるのも頷けます。

何しろ、先ほどの「先生、答え~」には述語がありませんから。

普段使っていないものを突然国語で聞かれても…ねえ?となるのは当然の結末でしょう。

そもそもですね、述語の無い文章で理解してもらおうなんて、聞き手の能力に頼りすぎですよ。「先生、答え~」で「は~い」なんて解答冊子を渡していたらそりゃどんどん言葉を簡略化してしまいます。あなたたちは熟年夫婦ですか。

子どもは大人の会話から学ぶ

子どもの言語能力に大きな影響を及ぼすのが大人の会話です。子どもの生活上最も影響があるのは、親の会話ということになります。

こんな文を読んでいるのは十中八九保護者の方でしょう。ご自分の普段の会話を思い返したとき、適切な構成の文章で会話をしているでしょうか?

会話は相手に合わせるのが基本です。私は職業柄相手によってコロコロ会話レベルを変えるのに慣れています。それこそ大人、高校生、中学生、小学生、幼稚園児に至るまで、全て話し方や内容、語彙、文の構成を変えなければ伝わりません。保護者の方に中学生と同じような会話をしたら馬鹿にされていると思われてしまいますし、逆もしかりです。

そして、私の場合家に帰れば0歳児が待っています。そこで普段ペラペラしゃべっているような口調で話しかけたら娘泣きますよ。相手の目を見て(これは相手によらずですが)、乳幼児に対するような声のトーンで、スピードも抑え、ゆったりとした会話を心がけています。とはいえ相手は喃語ですから、会話が成立するわけではありませんけど。

しかし、子どもの成長に合わせて会話のレベルは変わっていきます。そして、常に正しい日本語を意識して使ってやることで、それを聞いている(であろう)子どもにとってよい手本となることでしょう。

親同士の会話も子どもは聞いています。私もかつて子どもだった(当たり前)ので聞いていました。若干父親の言葉遣いがある特定の状況下(晩酌/笑)で乱れるものの、幸いまともな会話をしてくれる両親だったので、聞き取りや読解に苦労しないだけの言語力は身につきました。

日頃から「飯食う」「風呂入る」「寝るわ」なんていう単語レベルの会話しかしない両親だったら、少なくとも家庭において子どもの言語発達は絶望的です。子どもに対しても、「ご飯よ~」「宿題やった?」「早く寝なさい!」という2語文ばかり発していないか、思い返してみてはいかがでしょう。子どもがそういった2語文ばかり言っていたら、危険信号が点っていると考えた方が良いです。

まとめ

会話に限りませんが、子どもは恐ろしいくらい親から影響を受けます。保護者が適切なレベルで会話をキャッチボールすることで、子どもの言語能力は磨かれていきます。過剰なマシンガントークは子どもが寡黙になったりますので、やり過ぎはよくありません。だから「適切なレベル」なのです。

意外と日常生活は2語文で事足りてしまいますが、それ以上の文章構成を苦手になってしまわないよう、多様な表現を使って会話を広げていくのと子どもに良い影響が期待できます。

さて、「先生答え」ちゃんのおけいこ後ですが、ご褒美のエコガチャをやりに私のところへ来ました。そこで私に対して何と言葉を発するかをニヤニヤしながら期待していたところ……

「(スッと無言で出席手帳を差し出す)」

2語文はおろか、1語たりとも発しませんでした。

それは言語能力以前に失礼なので、注意します。

私「何かな?用があるならちゃんと言いなさい」

すると、来ましたよ1語文が。

「ガチャ」

私「ガチャがどうしたの?」

ついに2語文に進化しました。

「ガチャやる」

ここでそろばんの先生から注意が入りました。最終的には「ガチャをやりたいです」と言ったので、メダルを渡しました。これで誰からも注意が入らない状態が続いたら、将来言語能力がピンチになるのは言うまでもありません。

まあ、日々こういった状況を目の当たりにしているので、私のできる限りで改善を図っていくことにしましょう。

そんなやりとりがされている横の玄関でおとなしく座って待っている子がいました。まだ幼稚園児です。

私「お母さんの迎えまだかな?もうちょっと待ってようね」

そんな私の呼びかけに痛烈なカウンター。

「たぶんお母さんすぐそこにいるんだけど、くるまがすごいじゅうたいしてるからうごけないんだとおもう~」

どこで覚えたんだろうその言葉。

幼稚園児に負けるな小学生!