これで作図上手になれるかも?算数の図を上手く書く3つのポイント

昨日は最近入学した小学生Nくんを指導していました。4年生や5年生は本格的に定規やコンパス、分度器を使った作図を行います。入ってきたばかりのNくんは作図の実力が未知数なため、私は「どれどれ、お手並み拝見」というたいへん素直では無い視点で観察していました。

すると私の予想以上になかなか美しい図を書くNくん。正直それほど几帳面な性格では無いにも関わらず、思いのほか図はていねいで驚きました(結構失礼)。思わず本音で褒めてしまいましたね。

もちろん完璧ではありませんでしたので、いくつか指摘を加えたところ、素直にそれを取り入れていきます。授業の最初に書いた図と比べると、いっそう正確に書けるようになりました。

せっかくですから、そんな作図のノウハウをシェアしておきましょう。3つのポイントを守れば誰でもそこそこ良い図が書けると思います。

1.まともな道具をそろえる

道具が最も重要です。我々は指導のプロですが、まともな道具無しではやはりまともな図が書けません。

小学生に高い文具はいりません。でも、100円ショップの文具セットは、適当に目盛りをつけただけのプラスチック板ですので、正確な図が書けなくて当然です(多分に偏見が入ります)。

では、どのようなものがまともな道具なのか、定規と鉛筆に絞って簡単にまとめます。

作図のしやすい定規

透明である

透明なら下が透けていますので、図のどの部分を書いているか一目瞭然。作図に慣れている人なら不透明な素材でも余裕ですが、小学生は透けていた方が圧倒的に書きやすいでしょう。

端が0になっていない

端が0になっている定規は非常に使いづらいです。たとえば私の定規がそうです。

そろそろ使い始めて20年の年季もの

長さを測るときにはこの上無く便利ですが、作図をするときは0のところに鉛筆を合わせられないため、メチャクチャやりづらいです。私は4cmの線を引くときは、1cmのところに鉛筆を合わせて5cmのところまで引いています。そんなん小学生がスムーズに出来るはずがありません。

100円ショップの三角定規がよくこの状態になっていますので、ご注意を。

薄い

私の持っている2本の定規を比べてみます。

厚さが倍以上違う

薄いと何が良いのかというと、影が出来にくいのです。線を引こうとする部分に影が出来てしまうと、目標と正確に合わせるのが難しくなります。

また、鉛筆を使った場合、定規の厚さでかなりの誤差が生じます。

鉛筆を当てる角度を工夫すれば問題ありませんが、なかなか小学生には高等テクニックですから、あまり厚すぎない定規がオススメです。

ということで、私のオススメする定規はこれ!

エコール特製定規

自塾のノベルティがまさかのNo.1

すさまじく手前味噌なのですが、ウチの塾で作って校門で配った(現在は入手困難な)定規はスタンダードながら優秀です。貸してあげた生徒にもとても好評なので、再生産を強く希望します。作るの私じゃ無いですけど。

作図のしやすい鉛筆

別に高級な鉛筆だろうが、100円ショップの鉛筆だろうが、何でもかまいません。ですが、1つだけ満たしていなければならない絶対条件があります。

それは、削ってあるとがった鉛筆であること。

私は小学生に対し、「1mmズレたらダメ」と指導しています。親御さんの中には、「1mmくらいズレたっていいじゃない」と思う方もいらっしゃると思いますが、実際に作図してみると、1mmのズレってもの凄く違和感があります。

その1mmの許容範囲を、軽々と飛び越えてしまうのが丸くなっただらしない鉛筆です。そもその太さが1mmを超えている鉛筆で正確な図なんて書けるわけ無いじゃないですか!私だって無理です。

なら、シャーペンを使えばいいじゃない

おっしゃるとおりです。前述のNくんもシャーペンを使って美しい図を書いておりました。シャーペンの芯の太さは通常0.5mmです。それだけでも正確な図を書くのはとても楽になります。

1つネックなのは、シャーペンの使用が認められていない学校が大半であること。作図を行うような学年になったら、シャーペンを許可しても良いと思うんですけどね。なんなら鉛筆を使って正確な図を書いてみて下さいな、先生。

黒板+チョークってずるいですね。

文具について語り出すと止まらなくなりますので、このくらいにしておきます。文具についてはそのうち「Tommyのオススメ」カテゴリーで1つ1つ詳しく解説します。コンパスとか、良いものを使うと世界が変わりますからね。こうご期待。

2.定規ではなく紙の向きを変える

新しく入学してきた生徒に直線を引かせると、10人中9人は定規を横に構えます。下の写真のような向きですね。

定規を横向きに構える図

左手を添えていないのはご愛敬

私は小学生時代にどう習ったか覚えていませんので定かではありませんが、ほぼ全員そうやって構えるということは、学校でそのように指導されるのでしょう。

この「横向き」の構え方、1つ大きな問題があります。それは、手元がとても見づらいことです。

のぞき込んで作図する

あなたのお子さんはどうですか?

みんな図のようにのぞき込みながら書いてるんですよ。「見にくくない?」と聞いて初めて「確かに見にくいかも」と自覚する始末です。

定規は縦に構えると書きやすい

下の写真のように、縦に構えれば手元が常に見えています。これならのぞき込む必要もありませんし、線を上から下に書くのは自然な動きですのでズレる心配もほとんどありません。

定規を縦に構える図

左手はカメラを持っています笑

ついでに言えば、カッターで直線を切るときは間違いなくこの姿勢になるはずです。横向きに定規を構えてカッターを動かしたら切りにくいことこの上ありません。どちらが自然な動きであるか、よく分かると思います。

横線を書くときは紙を回転させよう

縦線は問題ありませんが、横線を書く場合は紙を回転させます。ノートの場合も少し面倒ですが回転させます。

私が作図をしているときは、紙がぐるぐる動いています。しかし、私は常に定規を縦に構えているので、姿勢は一定です。だから正確な図がさほど苦労せずに書けるのです。

以前、「先生、なんで紙動かしてるの?」と聞いてきた生徒がいました。大変鋭い子です。きちんと理由を説明してあげると、その子も真似をして書き始めました。その後、この子は私の予想通り数学が得意科目になりました。前述のNくんにもその可能性を感じます。

3.線の「はし」に注意する

3辺が4cm,3cm,5cmの三角形を作図するとしましょう。まず底辺の4cmを引きます。ここはたいてい皆ていねいに計って引けるんですよね。

2本目の直線を引くときに事件は起こります。最初に引いた4cmの辺の端に合わせて線を引かなくてはいけませんが、ここで「はしを合わせない」子が大量発生するのです。

悪い作図例

ぜひお子さんのノートチェックを

右のようにピッタリ「はし」に合わせていないと、角度はズレるは長さはズレるは大惨事です。上の図は極端な例ではありません。実際にはもっとルーズな子も少なくありません。

参考になるか分かりませんが、この記事の一番上のアイキャッチ画像は、私が実際の授業中に生徒へ指導する際作図したものです。これでも生徒が2つ書く間に全て書き終えたくらいのスピードで書いています。上の「悪い例」のようなズレがほとんど無いのが分かって頂けるのではないでしょうか。

まとめ

作図が下手な子は、そもそも「正確に書こう」という意識がありません。だから道具には全く無頓着だし、鉛筆も丸まったまま、少しズレていようが気にしない。悪い条件を悪いと思ってすらいないのです。

良い道具を使い、正しい姿勢で、正確に書こうと意識するだけで作図のクオリティは相当上がります。最後にそれを実践したKくんの例をご紹介しましょう。

まず、学校で作図を習ったと言うので、復習のために塾で書かせた平行四辺形がこれ。

平行四辺形の修行前

平行四辺形……?

そして、一通り私が指導するとどうなるか。使っている道具は全く同じです(鉛筆すら削っていません)が、定規は縦に構えるようにして、「はし」にも意識をさせました。それだけでこのように変わります。

右は生徒の道具を使って書いた私の手本

左側の平行四辺形が改善後です。コンパスの使い方がまだまだ未熟なため、平行線が大胆にズレていますが、なんでしょうこの全体的なスッキリ感は。これ以降この生徒は作図が好きになったそうです。

どうも作図が下手なんだよなあ、とお悩みのあなた(絶対小学生は読んでいない)、もしくは子どもの作図が汚くてお悩みの親御さんに少しでも参考になれば幸いです。

というか中1の作図で詰みますので、あまり呑気なことを言っていられません。すぐにでも改善を!