休校期間の対応を本音で語ってみた

4/2(木)に小田原市の小中学校の休校が正式に決まりました。

実はその段階で、僕のPCには休校時の対応プランがほぼほぼできあがってたんですよね。それこそ通勤時に運転しながらでもずーっと休校したときの対応を考えてた結果、気がついたら塾の駐車場に着いているという日々を過ごしていました。よくよく考えたら危ないね、これ。

実際、生徒たちにも新学期に学校は再開しないとずっと言っていました。

3月初旬、休校に突入したときより明確に状況は悪化しています。これで何食わぬ顔で学校再開とかされたらむしろドン引きです。結構生徒たちは「またまたー、先生大げさだなあ」なんてリアクションをしている子が多かったのですが、ニュースに敏感な生徒は納得していたようです。

ちなみにニュースでロックダウンやらオーバーシュートやら横文字が飛び交っていますが、理解していないどころか聞いたことが無い子もいるんですよね。お願いだからニュース見せてくださいよ、親御さん。大人はニュース見るかもしれませんけど、子どもは見せないと見ません。

ましてや中3生ならどうやってこの先公民の勉強するんですかね?数学の勉強減らしてもいいからニュース見せて欲しい。数学は僕が何とかするから。

それはさておき、最近コロナ疲れという言葉が聞かれるくらい、考えすぎている人が増えてきました。もちろん僕もそう。

ブログでもそっと触れてくるにとどめてきたのですが、1回くらいは本音を徹底的に書いて、どんなことを考えながら指導プランを考えているのか、保護者の方にも伝えておくべきかな、と考えました。

だから今回は包み隠さず語ります。恐ろしいくらい長くなると思いますから、生徒のみなさんは興味ないと思いますからそっと閉じましょう。

でも、保護者の方は時間があったら目を通してもらえると助かります。LINEでメッセージを送っていますが、500字しか書けないので真意を伝える自信がありません。僕は短くまとめる文才がないので、とりあえず10倍の5000字は欲しいです。

塾としての対応は決定

さて、今は春期講習が無事に終わり、元々休塾期間です。僕らも春休みだったわけですが、当然休日をエンジョイしてる場合じゃない。既に昨日の夜には講師陣で対応案を共有し、今日の緊急会議で早々に塾の対応が決定しました。

もちろんオンラインの緊急会議です。今までだったら本部に集合してたところでしたが、今回のコロナショックがきっかけでオンライン会議が当たり前になりました。怪我の功名ってやつですね。だって、僕は一言も「オンラインで」なんて言ってないのに、先生たちみんなオンライン会議の準備をしてましたから。

ただ家から出たくないだけかも。笑。

かくいう僕はおにぎりとタコさんウインナーとだし巻き卵を焼いただけの簡単お弁当を作って、家の近所の公園でお花見してたんですが。こう書くと「自粛中なのにお花見とはけしからん!」と思われそうです。

ま、近所と言っても我が家はかなりの傾斜地にあり、近所の公園はその山頂。歩いて来るしかないそんな場所に好き好んで来る人なんか皆無ですから、客観的には僕ら家族は無人の公園でベンチに座ってお弁当を食べてただけ。荒涼感ハンパない。

風に揺られて舞う桜の花びらは綺麗でしたが、クソ寒かったです。

話が大きくそれました。コロナ対応に人一倍神経を尖らせているのに他人のいる場所なんて行きたくもないですよ。

さて、塾としての対応は公式のHPに発表されます。各教室のLINEでも明日には配信されるはずです。どっちも僕がやるんですけど。

予想以上に保護者を縛る塾の判断

ここからは真面目な話をします。

まず前提として、小学生も中学生も、課題も目標も無い状態で勉強はしません。

これは上位層も例外ではありません。というのも、上位層のモチベーションの源泉は「自尊心」の占めるところが大きい。これは今までの生徒を観察した結論でもあり、同時に自分のたどってきた道でもあります。要は、「デキる奴と思われたい」「ライバルに負けたくない」という気持ちです。

しかし、現在置かれた状況は、周りにライバルも自分を尊敬してくれる級友もいない特殊な環境です。競争心なんぞ1ミリも沸かない状態です。この状況下に置かれてそれでもなお自発的に勉強へと身を投じる子は、もはや一般的な存在ではありません。1%もいないでしょう。

中堅以下の学力層なら、言うまでもなく勉強するわけがない。勉強へと向かわせるものが何一つありません。

そんな中、通っている塾が授業を強行するとしたら?

親なら一にも二も無く行かせる選択をするしかないんですよね。だって、自分の子だけを休ませたら、確実に出遅れるわけです。親の教育熱はそれほど生易しいものではありませんから、みすみす学力低下を招くような行動を取らせたくはないんです。たとえリスクとの葛藤があったとしても。

学習塾は、感染の危険性を完全に排除することはできません。感染対策のプロフェッショナルである医者ですら感染をしてしまう状況ですよ。我々素人がどのような対策を取っても、危険性を減らすことはできてもリスクは0ではない。

だから塾は「学力低下を見過ごせない」という題目を掲げ、正当化するしかないのです。

さて、僕は塾側の人間ですが、同時に教育熱の高い親(まだ3歳&0歳だけど)でもあります。どちらの事情も痛いほどよく分かる。

ずっと考えて、考えて、1つ出した結論。

「普通に授業を続ける選択肢は『ありえ無い』」

他の塾がどうとか知ったことではありません。それはそれぞれの事情。僕は、僕の生徒やご家庭の事だけを考えて発言・発信をしています。だからTwitterとか向いてないんですよね。やったら一発で燃えます。

基本スタンスは「自分が感染していたとしたら」

僕は理系なんで、基本的な思考が「安全側」です。ネガティブ思考とでも言えば良いでしょうか。原則として最悪のケースを想定し、その上で安全マージンを取る。そうすれば、万が一のことがあっても損害は最小限で済むという考え方です。

例えば、車で工事現場の横をすり抜けるとき、大型のクレーン車のそばを通るときは「もしこれが倒れてきたら」と考えてしまいます。たまたま信号待ちで真横に止まろうもんならもうヒヤヒヤ。ブレーキをかけつつも倒れてきたらいつでもアクセルを全力で踏んで逃げられるように心構えをしているんです。

ふざけて無いんですよ、これが。そういう性格なんです。トンネルなんか1秒でも早く通り抜けたい。崩れてきたらどうしようと考えてますからね。

これをウチの妻なんかは「考えすぎ」と一笑に付するのですが、現実にそういった事故があるわけです。僕からしてみたらただ鈍感なだけとしか。

だから今回のリスク管理をするにあたって、基本姿勢は「自分が感染していたとしたら」と考えています。たぶんそんなこと考えている塾ってそんなにいなそうです。

でも、そう考えでもしない限り、怖くて生徒を預かる事なんてできません。

個別指導は生徒の人数が少ない。だから生徒間での感染リスクは低い、それは確かでしょう。その代わり集団授業に比べて先生との物理的な距離が近い。机を付き合わせて長時間指導のために発話をするなんて、僕は怖くて嫌です。もちろんうつるよりうつすことが。

なら、先生は離れるしかありません。個別指導ではありえないほどの距離に。生徒は教室の隅っこに座り、先生は電子黒板を使って指導する。これならマスク無しかつ全力で咳でもしない限り飛沫が届くことはありません。

クラス指導は論外。先生はずっとしゃべり続けていますし、生徒同士の距離も近い。10名の生徒を2mずつ離し、かつ先生との距離が遠いという条件をクリアできる塾とか、どんだけ広い教室なんでしょう。

ウチの塾は「小さな教室・大きな成果」というコンセプトですが、密着指導の助けになるその小ささがこの状況下では致命的な弱点になってしまいます。

ただ、小テストくらいなら出来そうです。1部屋の4隅に一人ずつ座らせ、自習ブースも使って教室全体を使えば、1学年くらいの人数ならソーシャル・ディスタンシングの理念は確実にクリアです。どれだけ腕をぶん回してもそよ風すら隣の生徒に届きません。

高校生は元々映像授業が主体だから問題なし。質問対応はLINEでやっていますし、質問の回答が画像や動画で返ってくるという現在のシステムは彼らにとって心強いはず。新高1生もまだ入学前だというのに全力で予習して(させて)ますし。

親としての思い

3年前に親になったばかりという、まだ保護者若葉マークな僕ですが、夫婦共に教育業界という環境ゆえ、ムダに教育熱は高いんです。そのせいか、自分のことを我慢して子どもに時間も金銭もリソースをかけまくっています。主に時間ですけどね。

おかげで、いわゆる「子を持つ親の気持ち」はよく分かるようになりました。

でも、「子どももいないのに親の気持ちなんか分からない」とか全く思っていません。その論の反証は「たかだか2、3人のモデルケースしか見てない親よりも勉強に関しては正しい理論を持っている」です。

学校の先生も、塾の講師も、指導してきた生徒の数だけ様々な保護者の思い、家庭環境、子どもの特性に触れていますから、こと勉強だったり成績を伸ばすことに関しては、どの保護者よりも確かな指導が出来るでしょう。

新任の学校の先生はともかく、2~3年も経てば全校の生徒とコミュニケーションを取るので、ふれあった子どもの数は軽く3ケタに達します。その時点で立派なプロフェッショナルです。

周りにベテランの先生が多い小田原の塾業界にいるので錯覚しますが、僕も指導歴は20年を超え、だいぶ老けてくるとともに経験を積んできています。そんな自負もあるので、面談などで保護者に対して苦言を呈することも増えてきました。

でも、自分の子を持って決定的に理解していなかったことが1つだけあるんです。

それをわかりやすく伝える出来事がつい最近ありました。

ここまで散々書いてきてアレですが、僕は新型コロナについては「タチの悪い風邪」というスタンスです。メディアの情報だと偏るのでなるべくお医者さんのブログや医学論文にも目を通すようにしていますが、その上での認識が「タチの悪い風邪」なんです。

冬に入学した生徒は春になるまで僕の素顔を見られないという伝説が出来るくらい毎年マスクマンな僕ではありますが、プライベートではビックリするくらいマスクしません。咳が出ている時期はもちろんマスクしてますよ?「自分が感染していたら」を想定しているくらいですから。

でも、スーパーに行くくらいならマスクしません。他人に近づきませんし、会話もしません。レジのお姉さんへの応対くらいは爽やかにしますが向こうがマスクをしていますから問題ないでしょう。自宅のマスクには限りがありますので、基本的に仕事以外ではほとんど使いません。

そんな僕が一瞬で認識を変えた出来事、それが「0歳児の感染」です。そのニュースを見た瞬間、身の毛もよだつくらいでした。

今までの自分だったら、「あー、やっぱり乳幼児でも感染はするんだなあ」くらいの受け止め方でしたが、まさに乳幼児の親となった今はどうかというと、思わず涙が出てくるくらいのショックでした。

なぜ?そりゃ自分の子どもに重ねるからですよ。我が子が感染して重体になったときのことを鮮明に想像してしまうんです。もうね、いたたまれないですし、ニュースで聞いた名も知れぬ赤の他人でありながら、同調して苦しくてたまらないのです。

基本的に「怖い」だの「冷たそう」だの散々なことを生徒から言われる僕ですらそうなのですから、親が全員そうとは思いませんが、自分の子どもの事となると冷静に構えていられなくなる、そんな保護者の方が多いのではないでしょうか。

そんな中、感染リスクと学力低下のリスクを冷静に天秤にかけ、理性的な判断をシビアに下すことが出来る親がどのくらいいるのか。

僕はそんな親の弱みを無視出来ない。

塾として出来ること

だから、僕ら塾が保護者の代わりに冷静な判断をしなければいけないのです。

なぜ今休校が続いているのか。

当然学校だって感染防止の対策を準備してきたでしょう。少子化で空き教室だってあるでしょうし、無数にある窓を開放すれば換気だって普通の家と比較にならないくらい効率的に行えます。いわゆる「3密」を避けることは塾以上にしやすいはず。

それでも休校ということは、その程度の対策ではいかんともしがたい状況ということを示しています。

その上で、どれだけ感染予防をしたとしても、塾が普通に授業をするのは無理。

普通に授業をしても生徒は来るでしょう。その陰で、リスクと背中合わせの状況に目をつぶるしかない保護者の苦悩があることに目をそむけてはいけないな、と考えるわけです。

しかし全てをオンラインにするのも難しいのも事実です。

幸いなことに、ウチの塾は3月にオンライン対応をしたことで経験値が貯まっています。そのフィードバックもあり、休校期間の最適解を探しました。

ただ映像を見るだけではなく、その演習、チェック、予習の速度など、感染リスクとのバランスを取りながら実現する方法を考えました。だいたいが運転中に考えたものです。

今回の発表は2週間の休校ですが、もしそれで再開したとしてもたった1週間通学したらまたGWで休みなんですよね。これはリスクに対してあまりにムダが多すぎるので、僕はGW空けまでこの状況が続くと考えています。塾としてはそうなっても良いような対策を考えています。

未曾有の事態である今、何が正解かは誰も分かりません。自分で考えたことが正解になるよう努力をするだけです。

今回の対応で、普段の授業とひけを取らないくらい伸ばすことができたら正解?いえいえ、普段の授業より良かったと思わせるくらいじゃないと正解とは言えませんよね。

ということで、来週から新学期ですが、ウチの塾は特別対応期間に突入します。学習面・健康面の不安を出来るだけ取り除きながらやっていきますので、よろしくお願いします。