私が文具にこだわる理由 初心者は良い道具を使え!

塾の先生をやっていると、おのずと生徒の使っている道具が目につきます。勉強の道具と言えば、文具ですよね。

塾講師でありながら文具マニアでもある私ことトミーには色々と思うところがあります。

私のポリシーは、「初心者は良い道具を使え」です。

初心者って、最初は安い道具で様子を見て、上手くなってきたら良い道具にしよう、って思うじゃないですか。でもそれはある意味正解で、ある意味大間違いなんですよね。

初心者に高すぎる文具は必要ない

メチャメチャ高い道具を使わない、というのはある意味正解。何で高いのかというと、素材が普通では使われないものだったり、用途が限られすぎていてあまり売れるものでは無かったり、意匠的なデザイン料だったり、様々な理由があります。

たとえば、私がいつか欲しいと思ってやまないステッドラーの製図用コンパス。コンパスなんて普通300円で買えるところ7000円オーバーという頭のネジが吹っ飛んだ価格です。普通の学習用コンパスにはついていない「中車」という精密調整用のネジがついていて、極めて正確な円が描きやすいんですよね。

でも、これ小学生が使えます?逆に使いにくいことこの上ないのでは?いくら素晴らしい性能があっても、使いこなせければ意味がありません。

初心者に安い文具は向いていない

では、最初は安い道具のほうがいいのか?というと、全くそんなことはありません。というか、初心者が安い道具を買った場合、デメリットが大きすぎます。

私、数年前に友人に誘われて登山に行くことになったんですね。普段「運動は人生のHPがマイナスになるだけ」とか言って一切運動をしないので、当然道具は1つも持っていません。

ただ、「山をナメるな」と言われていたので、調べに調べ尽くして最安値ではない、真ん中くらいの性能の道具をそろえました。靴、シャツ、下着、靴下、ズボン、リュック、手袋などなど。おかげで素敵なお値段になりましたが、実際に登って理解しました。

「あ、これ道具が悪かったら絶対1回でやめてるわ」

そう、初心者はただでさえ下手なのに性能が悪いものを使ってしまうと、よけい上手くいかないんですよね。登山だったら、着るものを間違えたら熱中症になったり低体温になったり、靴を間違えたら足を怪我したり猛烈に疲労したりと、初心者にとってハードルがぐいぐいと上がってしまいます、道具のせいで。

勉強でも同じことで、使いにくい筆記用具は良い字が書きにくい。板書が取りにくい。使いにくい定規は直線すら書きにくい(結構マジで)。しょぼいコンパスは何度やっても上手く円が描けない。悪い消しゴムは消すほど汚くなる。

こんな状態では勉強がはかどりません。勉強の妨げになるような悪い文具を使ってしまうと気持ちよく勉強ができないんです。

まずはスタンダードで良い文具を使って、書きやすい・使いやすい状態で上達させていった方が良いでしょう。その上で本人に色々とこだわりや好みが出てきたら、徐々に買い換えていけば良いと思います。

間違っても全部100円ショップでそろえたりしない方が良いですよ。モノにもよりますが、保護者の方の想像以上に使いにくく、差があります。それで勉強がはかどらないのも無理はありませんからね。

勉強慣れしてくると道具を問わずテキパキ勉強できるようになります。それまではある程度の良い文具を使って勉強の腕を磨きましょう。

良い文具は勉強のモチベーションになる

先日筆箱を買い換えたPCを買い換えたりした記事を書きました。それだけ見ているとぽんぽん道具を買っているイメージがあるかもしれません。もちろんその通りです。

なぜ道具を買い換えるかというと、もちろん筆箱ならヘタってきたから、PCならSSDが満杯になったからという正当な理由(=妻への言い訳)があります。でも、新しい道具はモチベーションを高める効果があります。ちょっとした出費で仕事がはかどるなら安いもんです。PCは安くないですけど。

かつてしょっちゅう文房具を無くしては保護者に怒られていたAくんという生徒がいました。文房具だけでなく、ノートもまあよくなくします。消しゴムは半分も使ったこと無かったのではないでしょうか。

そんなAくんですが、私の持っていたボールペンに憧れていたんですよね。ただ、数千円もするボールペンはさすがにちょっと高すぎでした。そこでAくんは親に頼みこんで、ちょっとお財布に優しめの似たようなボールペンを買ってもらいました。

それからというもの、彼はそのボールペンを大事に大事に使っていました。私の知る限り、1度もなくしていません。そのボールペンだけが原因では無いでしょうが、その頃から落ち着いて勉強に打ち込むことができるようになり、着実に実力も伸びていったんですよね。

ボールペンがきっかけで、他の文具も少しずつグレードアップしていきました。そうして手に入れた自分の道具には愛着がわくのか、とても大事に使っているのが端から見ても分かります。

Aくんに限らず、道具をきっかけにモチベーションを爆発させる子は少なからずいます。私の知る限り男子にそういう傾向が見られますが、女子でもノートをチェンジしてから数学の勉強が軌道に乗り始めるケースも記憶しています。

だから、これもいえるかもしれません。

良い道具は人を変える、と。

まとめの思い出話

私の育った家庭は比喩でも何でもなく貧しかったので、一切塾には行かせてもらえませんでした。文具も最低限のものを使っていました。ただでさえ少ない小遣いを文房具に費やす気もせず、与えられたものだけを雑に使っていたのを覚えています。

高校生になり、周りを見るとさすがは進学校、みんなそれなりのこだわり文具を持っているのです。私も一念発起して、今は無き伊勢治小田原店の2階の文房具売り場でなんとレジの横に置いてある高級そうなシャーペンを買ってみたんです。といっても1000円くらいでしたけど。

そのシャーペンの使い易さは衝撃でした。普段使っているシャーペン10本分の逸品ですから、使わなければもったいないですし、使いたくてウズウズしていたくらいです。私の勉強に火がつきました。

と同時に、今まで使っていた文房具の不便さをようやく理解しました。最初からこのシャーペンを使っていたら、どれだけ成績が変わったことでしょうか。

だから、私は何度でも唱えたい。

初心者は良い道具を使え」と。

それが文具マニアへの扉を開いてくれた1本のシャーペンから学んだ教訓です。

思い出のシャーペン

高校時代から未だに使っている名器