勉強しながら音楽を聴くのはアリかナシか

先日中学生と話していた世間話のネタなんですが、塾の先生をやっていると毎年質問される話題でもある「勉強しながら音楽を聴いてもいいですか?」というもの。

結論は簡単で、「人による」としか言いようがありません。人によっては無音でやっているよりも効率的になりますし、人によっては害悪でしかない。

どんなタイプだとアリで、どんなタイプだとナシなのか、少しだけ掘り下げてみましょう。

音楽を聞き流せるかどうか

音楽を聴きながら勉強できるかどうかは、聞き流せるかどうかなんですよね。

音楽に意識をもっていかれたらダメなのは言うまでも無いですよね?思わず口ずさんでしまうのは明らかに意識を向けている証拠ですから、肝心の勉強面に集中しているとはいえません。

手でリズムを取ったり、足でバスドラを踏んでいたり、体が反応してしまうのもかなり怪しい。私もよくやってしまう。

勉強しながら音楽を聴きたい人にとって、その最大の目的は、周囲の音をカットすることだと思うんですよね。

いわゆる生活音だったり、周りの人の話し声だったり、はたまた他の勉強している人の物音だったり、数々のノイズを遮断したいのでしょう。

そのためなら「何か音が鳴っていればよい」だけなので、オススメなのは「聞き飽きた曲」です。

決してリリースしたばかりの新曲をワクワクして聴いてはいけません。

ほら、寝るときに本を読む習慣がある人なら分かるかもしれませんが、新刊を読んじゃったりすると気がついたら朝になっていて全く寝られなかった経験はありませんか?寝るときに読むなら何度も読んだ本や、全く興味の無い参考書なんかがよいでしょう。英単語を覚えたりすると快眠できるかもしれません。

あと、生徒によく聞かれるのは「洋楽ならいいんじゃない?」という質問。それも人によるでしょうね。高校生くらいだと普通に洋楽を歌えてしまうコアなファンがワンサカいますから。

音楽と記憶の関係はあるにはあるが……

ある行動をするとき同じ曲を習慣的に聴いていると、ふとその行動をしたときに音楽とともに記憶が蘇ることがあります。

私もドハマリしていたCDをエンドレスで繰り返しながらオンラインゲームをしていた時期、そのゲームのことを考えるとCDの音がセットで頭に鳴り響いていました。けっこうみなさんそんな経験はあるでしょう、オンラインゲームはともかくとして。

そう、音楽と記憶を結びつけることが出来るのは確かなんですよね。

しかし、残念ながら音楽による記憶はテスト勉強には全く向いていません

音楽と用語を結びつけて記憶をしようと何度も繰り返せば、確かに音楽とともに記憶が定着されるでしょう。しかし、テストのときその音楽は鳴っていません。音楽を使って記憶を呼び起こすのを狙ってやるのは不可能です。

また、モーツァルト効果といって、モーツァルトを聞くと認知力が上昇する、と書かれた書籍や論文がけっこうありますが、現在は一般的に否定されていますね。

本当にモーツァルト効果があるのならどの幼稚園も保育園も採用しているはずですが、どこへ行っても「おかあさんといっしょ」が流れているのがすべてを物語っていると思います。個人的にはモーツァルトが流れている保育園とかやだなぁ。

無音の状態より何か鳴っているくらいがよいという意見も

大前提として、入試もテストも無音では無いと言うこと。これを忘れてはいけません。

周りの音が気になって集中できない、というのは本番に向けて不安要素が大きいですよね。

もちろん誰一人しゃべらないで勉強の物音しかしない状態での演習は素晴らしいことですし、塾の試験対策演習はそういった環境になるわけですが、だからといって普通に隣の人が勉強をしているだけなのに「気が散る」とか「一人じゃ無いと出来ない」というのは、本番どうすんだろ?と考えてしまいます。

勉強にカフェが利用されるのは、雑多な音の中での意外な集中力を期待されてのこと。普通にトークしている人はいますし、PCを広げてドヤっている人もいますし、同じようにガリガリ勉強している人もいます。そのさまざまなノイズの中の方が細かい音に気が散らず、むしろ集中できるそうですね。

だから音楽がBGMとして流れていても、集中できるはずなのです。音楽のチョイスさえミスらなければ、音楽を聴きながらやるのは悪いことではないはずです。

動画は絶対にやめよう

ただし、同じ音楽を聴くのでも「Youtubeで動画を流しながら勉強」は絶対にやめましょう。本当にダメ。

Youtubeにはミックスリストというすてきな機能がありまして、その人の傾向に合わせた動画をノンストップで流してくれるんです。音楽ならその人の好きなアーティストをまるっとリストアップしてくれます。それ自体は何も悪くありません。

でも、「動画」がダメ。音楽に耳を奪われてもまだなんとかなりますが、勉強にとって絶対に欠かせない「視覚」を奪われるのが最悪なのです。

実際にやってみれば分かりますけど、動画を横で流しながら作業とか勉強とか、本当に出来なくなります。家で動画を流しながら仕事をしようもんなら、気がつくと手を止めて映像を見てしまう自分に気づくんです(分かっているならヤメロとは思いますが)。

私のような「ながら作業」に慣れている人種でもそうなのですから、中高生はもう絶望的にダメです。

幸いYoutubePremiumの登録をすれば画面を消しても再生は止まらないので音楽だけ流れ続けます。これなら普通に音楽を聴いているのと変わりませんから問題ありません。だからPremiumの登録が出来ないお子様は諦めて消しましょう。

最後に思い出話

楽しみながら勉強するという目的ではなく、周囲から隔離したいという目的で音楽を聴きながら勉強するなら効果的だと思います。

私も実際に音楽を聴きながら派だったので、メリットもデメリットも感じました。

ただ、私の場合同室に3つ上の兄がおり、向こうも音楽をかけて勉強するタイプだったので、ある意味自衛のためにヘッドホンをして音楽をかけていたのもあります。

あまり音楽を聴きながら何かすることに慣れてしまうと、音楽の無い状態でのポテンシャルが落ちてしまうのも実感としてありましたから、ほどほどにするのが良いのでは無いでしょうか。

ちなみに教室では自習中でも音楽NGです。もし勝手に使ってたら取り上げて私が代わりに耳元で歌ってあげますよ。