英語の問題集とジックリ向き合う

試験勉強をしている中学生たちからよく相談を受けるのが、「英語の勉強をどうやればよいか」です。

ウチの塾で使っているテキストはもちろん塾専用教材です。
通常授業用に「Winpass」を使って実力養成、定期テスト用に「必修テキスト」を使って教科書に沿った勉強をします。
塾の先生ならどのテキストを使っているかで狙いが分かりますよね。

この2つのテキストを上手に活用すれば、定期テスト対策から入試の基礎養成まで充分こなせます。

問題集のレベルと役割をつかむ

市販教材でも同じですが、問題集にはそれぞれレベルが設定されています。
私の知る限り、万人が使える問題集など存在しません。

ハードルは適切でなくてはいけません。
8割以上の高得点を狙う人が延々と簡単な問題ばかり繰り返していても、かけた時間に見合う結果は得られません。
平均点を超えるのが目標だったら、むやみに難問に取り組んでチンプンカンプンになっている時間が勿体ないですよね。

また、役割の違いも重要です。

ウチで使っている教材でいえば、「Winpass」は教科書に沿っていません。
加えて、どの教科書で学んでいてもついてこられる程度の単語しか登場しません。
単語に縛られることなく、文法に焦点を当てて練習を積むには最適で、英語の実力を伸ばすのに向いています。

しかし、Winpassだけで定期テストの勉強は完結しません。
定期テストは学校の教科書から出題されますから、その教科書の単語を覚え、重要な表現を身につけていかないとダメです。

そのために学校の教科書に準拠した「必修テキスト」があります。
塾の授業中では一切使いませんが、テスト前はこちらがメインとなります。

ただし、必修テキストで学校の教科書内容だけをせっせと覚えていっても、応用問題に弱くなります。
そこはWipassの得意分野なので、上手く使い分けが必要です。

ちなみにこの話、生徒にはしてあります。
してありますが……勉強の様子を見ていると理解していない生徒がいるんですね。
そういった場合はダメ出しをして、適切な問題集に取り組ませます。

基本的に生徒がやっている内容を尊重しますが、さすがにスルーできませんから。

問題集は1回解いただけでは伸びない

英語の問題集を1回通して解いただけで成果が出るのは、相当普段からの素地がある人だけでしょうね。
1回解いたときに分かるのは、「何が出来ないか」だけ。
出来ないものが見つかったら、それを出来るように変える「具体的な対策」を取らなければ意味がありません

「具体的な対策」は色々です。

そもそも単語レベルで覚えていないなら、暗記するリストに加えてやる。
単語帳を作るのも良いでしょうね。

単語は分かっているのに文法が定着していなくてミスをしたなら、似たような文法問題を大量に解けば型は身につきます。

もちろん同じ文法を使う問題だけ解くのは初歩の段階です。
数学で言えば同じ公式の問題を大量に解くのと同じで、あれは数字が変わるだけで頭の使い方はワンパターン。
だから、ゆくゆくは色々な文法事項が混じった問題へと進み、適切な文法を使い分ける練習をする必要もあります。

難しいことは考えず、とにかく回数を繰り返すのもバカに出来ません。
私はどちらかといえばこのタイプでしたが、とにかく解いているうちに勝手に覚えるのを期待するんですよね。
ただこの方法、2回や3回繰り返しても出来るようにならないのも珍しいことではありません。

私が好きな音楽で言うと、毎日ギターを弾いている人なら新しいフレーズもちょっと練習すればスンナリ弾けるようになりますが、私のように10年以上触っていない(笑)人間だと、それはそれは指が痛くなるレベルまで繰り返さないとマトモに弾けるようにはならないでしょう。
もちろん初めてギターに触った人なら軽く1ヶ月以上かかってしまいますよね。

要は、元々積み上げてきた能力があれば繰り返しも少なくて済みますが、能力値が低い初心者の場合、おのずと繰り返す回数も増えるわけです。
英語の苦手な生徒がワークを3周したところで、「その問題を覚える」のが関の山でしょう。

ちなみに、我々は生徒に「繰り返しなさい」と指示しますが、繰り返すのが嫌な生徒はたいがいこう答えます。

「繰り返すと問題覚えちゃうんですよね~」

と。

本当に問題を覚えるまで繰り返してもいないくせに、ですよ。
やれるもんなら問題覚えるまで繰り返してみろと言いたいですけどね。
まあ言いますけど。

ただ問題集を繰り返すだけでは効果はうすい

確かに問題を覚えるほど繰り返してしまうと問題点もあります。
パッと見て解答が分かるので、よく考えずに答えを書いてしまうんです。

そんなときは、じょじょに負担を増やしながら繰り返し解いていくのが良いでしょう。

全文を書く

穴埋め問題なら、穴の部分だけでなく、全文答えるようにする。
それが出来るようになったら、日本語の文を見て全文答えるようにする。
つまり、最終的には英作文をするということです。

この、積極的に「全文を書く」勉強方法は、英語の実力をキッチリ伸ばすことができます。
穴埋め問題だけでは英語独特の語順が身につきません。
また、文のリズムをいつになってもつかむことが出来ません。

全文書く習慣が付いていると、正直細かい文法事項が多少適当であっても、「何となく」正解にたどり着けます。
中学生の解いている英文も、和訳してしまえば小学生レベルの文章ですからね。

私たちだって、日本語の文法が完璧で無いにも関わらず、国語の問題が解けますよね。
小学生レベルの文章なら、細かいことを考えずに答えることができるでしょう。
同じように、中学生レベルの英語なら、感覚だけで解けてしまうはずです。

ある程度英語が出来るようになった人があまり文法文法と意識せずに解けているのはそれが理由でしょうね。

和訳する

英語を全文書いたら、逆に和訳してみると素晴らしい練習になります。

英語を英語のまま解釈するのが良いんだ!という先生もいらっしゃいますが、それが出来るようになるのは大学受験レベルの話だと私は思います。
いや、単に私がセンターを受けるくらいの段階でようやく出来るようになってきたからそう思うだけの経験談なんですが。

日本人ですから、日本語をベースに考えないと埒があきません。

そして、文法が頭に入っていないと、意外とちゃんとした日本語に出来ませんからね。
ときどき質問に来た生徒に向けて「じゃあ、これ訳してみて?」と言うと、たいてい訳せません。
訳せないから解けないのか、解けないから訳せないのか分かりませんが、少なくとも英文を理解していないのは確かです。

4技能4技能とはやし立てられていますが、そもそもリーディングとライティングという対になる技能が出来なければ定期テストでの高得点は望めません。

いきなり長文を和訳しろと言っている訳ではありませんからね。
1つの文でいいんです。
普段から1つの文をちゃんとした日本語に直せるように練習する、その積み重ねで長文に対峙する基礎が培われると考えています。

まとめ

あえて専門外の英語についてたまには語ってみました。

ひとまず分量を積み重ねるのが第一歩です。
英語が出来ない人の多くは、まずこの分量が不足しています。

その上で、じょじょにハードルを上げていって、底力をつけていく。
基本は文を書くことと日本語に直すこと。
ここまでやり切れば、テストで8割が見えてきます。

現状、そこまでやり切れている塾生は多くありません。
数学は伸びやすい科目ですから、みんなガンガン問題を解いているんですけどね。

英語は数学と並んで根幹をなす科目の1つでもあります。
まだ8割に乗っていない子は、それこそ問題を覚えるくらいまで繰り返して欲しいですね。
その上でアドバイスが欲しければ、もう1段階突っ込んだ助言をしましょう。