高校1年生で数学に苦戦している人に捧げる高校数学勉強法

高校1年生は入学後初めての試験を終え、結果が出た頃ですね。

当学院の生徒も悲喜こもごものようです。

私が直接指導に当たっている高1生はたった2名ですが、二人とも学年上位10~20%に収まることができ、スタートはまずまず。

ある生徒は、テスト本番までおっかなびっくり勉強をしていましたが、まさかの100点連発。中学以降初めて満点を取り、自分で驚いているようです。少しは自信がわいてきたかな?

またある生徒は苦手の数学で平均点+30点を取れました。高校数学はポイントを掴めば波に乗れるため、いきなり得意になる事が多々あります。まさにそんな典型例でしたね。

この二人の成功した理由は、指示通り勉強を進めたこと。また、それを実現出来る「素直さ」という能力があること。付け加えるなら私が指導したから、でしょうか。誰も褒めてくれないので自ら褒めてみました。

とはいえ、私が教えているのは数学や英語ではなく、その取り組み方とペース配分です。内容は学校で教われば充分。加えてウチの講座には映像授業があるので、私が実際に教える必要はほぼほぼありません。

基本的に、高校生はプロの学習アドバイス通り勉強を進めればまず成功します。それを実行するだけの時間の確保と実行さえすれば、ですが。

数学は格差がつきやすい科目

数学は高校生にとって、最も勉強しやすい科目の1つです。それは、勉強方法に工夫が全く必要ないからなんですよね。

暗記も特別に必要ありません。公式は使っているうちに勝手に覚えます。

逆に言えば、公式を暗記しても使えなければ全く意味がありませんので、あらかじめ暗記をする作業自体がムダです。使っているうちに覚えるまでは別に公式を見ながらやっても構いません。そのうち必ず覚えますので。

ただ、強烈に格差がつきやすい科目でもあります。無事軌道に乗った人と、出鼻をくじかれた人では見える世界がまるで違うと言っても過言ではありません。後者の人にとって、授業は苦痛そのもの、宇宙語にしか聞こえないことでしょう。

それは自ら招いた結果です。

数学に予習は不要

英語や古典のような語学系の学習と違い、数学は予習をしていくメリットが薄い科目です。

予習にかける時間を全力で復習に費やした方が圧倒的なメリットがあります。なぜなら、完全に積み上げ型の科目なので、途中で分からなくなると、それ以降がほぼ全滅してしまうからです。

学校で習った内容を自宅に帰って演習によって定着する。徹頭徹尾この流れを実践していけばOKですよ。

例外を挙げるなら、三角比の導入や命題の必要充分条件のアプローチなどは、あらかじめ上手い解説を受けておくと良いですね。

これらは担当の先生によって導入の仕方がガラリと変わります。例えば、sin,cos,tanが一体何なのかを生徒が掴めている授業と、ただ公式を挙げて「こういうもんだ」と推し進める授業では雲泥の差があります。教科書に縛られる先生には難しいところですね。

塾に通っていない人はYoutubeを漁ってみましょう。某超大手家庭教師チェーンが運営するチャンネルが悔しいですが本質的で大変分かりやすい解説をされているので好印象です。さすがですね。

ウチの塾生は私に聞けばOKです。もっと分かりやすいと思います(しれっと)。

学校の授業を理解せよ

数学の苦手な生徒の言う「学校の授業がワケ分からない」というアレ、先生からしてみたら噴飯ものですよね。

高校生の言い分もアレコレあるでしょうが、そんな彼らに伝えたい。

学校の先生が悪いんじゃ無い、キミが悪いんだ、と。

学校の先生はプロです。授業に対する準備も生徒の想像以上にしています。聞く姿勢や準備が不足しているのを棚に上げて学校の責任にすんじゃないよ、と思います。

同じ授業を受けていながら理解出来ている生徒がいるのはなぜでしょう?それが答えなのでは?

この問題、本質的なところが垣間見えるのは先ほどのYoutube。コメント欄は「学校の先生より分かりやすい!」だとか「無料でこんな分かりやすいのか!」など、賞賛の嵐ですよね。

Youtubeで顔を晒して授業をしているのは、スキルに自信のあるごく限られた人たちなんですよね。そりゃ分かりやすいに決まってるでしょう。

さらに、Youtubeで「積極的に」授業を見ている視聴者はそもそも授業に臨む姿勢が全く違うのです。みんな、分かりたい、分かろうとしてアンテナを張っていますから、伝わりやすさが明らかに違うんです。

学校でも同じ姿勢で受ければ良いだけの話です。そして、丁寧に復習して次の授業に臨めばキチンと理解出来ますよ。

失敗しない数学の勉強方法

高校のレベルはさまざまですが、数学の教科書レベルの学習内容はほとんど同じ。となればトップレベルの学生がこの程度の悩みを抱えることは無いでしょうからスルーします。

ここからの話が役立つのは、ズバリ「2~3番手以下の高校生」です。そんな彼らに失敗しない数学の勉強方法をまとめましょう。

「問題集を1.5周」するだけ

学校でもらった問題集を1.5周します。ただこれだけである程度の得点が取れるはずです。

「は?1.5周ってなんだよ?」って思いますね。うん、私もそう思います。なので詳しく説明しましょう。

まず有無を言わさず1周します。このとき、以下のルールに従って問題集にマーキングして下さい。

  • 間違えた問題にマーク
  • 解説をちょっとでも見た問題にマーク
  • ノートでやり方を確認した問題にマーク
  • 誰かに質問した問題にマーク

要は完全に自力で解けた問題以外全てマークするということです。

そのマークがついた問題を再度解きます。完全に自力で解けたらマークを消しましょう。こうしてマークが完全に無くなるまで繰り返します。

だいたい解き直したり繰り返したりする問題が全体の半分位の分量になります。これが「0.5周」です。最初の1週と合わせて、「1.5週」というワケです。

注意
問題集を「2周する」と書いてしまうと、本当に丸々全問解いてしまう人がいそうなので1.5周という表現をしました。もちろん時間があれば全問解いても良いです。

正しい問題集の取り組みペース

問題集を1.5周するという前提でペースを考えたとき、たいていの子が次の画像のようなペースになります。

間違った問題集のペース

まず学校が進み、しばらくしてから問題集に取り組み始めます。試験範囲が全て終わるのがテストの1週間前(実際はもっと遅いことも)として、その直後に1周目が完了します。その後残り1週間で2周目を解く。

こんな感じで進めた場合、まず失敗します。理由は2つあります。

1つは、2周目に残された時間が短すぎる点。たった1週間で0.5周分を解くのは不可能です。他の科目もあるのを忘れてはいけません。

もう1つは1周目を解き始めるのが遅い点です。普段の授業が分からなくなる理由は、学校で習ったことを定着しないまま先に進むから。学校の問題集が復習として機能するには、ちょっと間を空けすぎです。

ということで、1周目を終わってから2周目を始めるという固定観念を捨てます。

理想的な問題集ペース

どうです?まず学校で習ったらほぼリアルタイムでドンドン解きます。連日授業は進んで行ってしまうので、直後の復習は大変効果的です。

そして、ある程度の期間になったら1周目と並行して2周目の解き直しを始めて行きます。1周目を解きつつ解き直しもしていくなんて一見大変そうですが、よく考えてみて下さい。

悪いペースの方は、前半に何もしていない時期があります。その分後半に圧縮されます。1日に解くべき量がかなりありますね。

良いペースの方は、長い期間やる分1日に解くべき量が減ります。また、学校で習って忘れる前に1周目を解いているため、そもそも間違える問題=2周目の問題が減ります。だから1周目と並行しても大丈夫なのです。

数学の「答え」のイメージを変える

さて、こちらの画像をご覧下さい。

解答のダメな例

テストだと×になるレベル

絶対値の方程式の問題ですが、こんな計算がノートに残っている人がほとんどです。ちなみにコレ、不正解ですけどね。

次に、こちらの画像をご覧下さい。

正しい解答の書き方

一見先生の解説っぽく見えるけど……?

よく見かける問題集の模範解答ですね。

高校1年生の多くが、これを「解説」だと捉えます。それは大間違いです。だから数学が出来ないんですよ。

これは全て「解答」です

数学=1つの答えを出す、と思いがちですが、数学は途中の導出過程も全て含めて答えと言えます。

途中で計算の変形をしている根拠も分かりますし、2つ答えが出てきたものを絞る理由もハッキリ書いてあります。これぞ「解答」です。

最初の画像の答えは2つのままになっています。当然不要な答えを消していないのでアウトですし、そもそもどのように場合を分けているか、どうしてそのような式変形をするのか、全く他人に伝わりません。

数学において、他人に伝わらない答案は不正解。中学数学と根本的に違う点はこれなんじゃないなか?と思っています。

このイメージが変わらない限り、高校数学での低迷は避けられないでしょう。

答えを開かずに解く

高校生の多くが、問題集の答えを開いたまま解いています。

確かに手も足も出ないままずっと考えているのも嫌だという気持ちは分かります。しかし解答を見ながらやってもほとんど頭は働いていませんし、自分がどこで躓いているのかも曖昧になりがちです。

まず何も見ないで取り組む。完全に詰まってしまったらヒントをもらう程度に解答をチラ見する。また答えを閉じて解き進める。でも詰まったらまたチラ見する。この繰り返しが良いでしょう。

当然自力で解いたわけではないので、解き直しの対象です。

また、全く分からない問題は、むしろ解答を熟読してまず何をしているのか理解に努めます。解答の流れをつかんだところで答えを閉じ、自力で解いてみましょう。とはいえ、直前まで答えを見ていたわけですから、これも解き直し対象です。

いずれにしても、答えを見ながらではダメ。百害あって一利なしです。

まとめ

ここまで説明したことをやるだけで、キチンと結果が出ます。特にまだ高校1年生が最初のテストでコケただけならば、6月の今ならいくらでも挽回は可能です。今を逃すと手遅れになりますけどね。

数学が致命的に苦手になってしまう人の問題点は、実は別のところにあります。

というのも、危機意識はあるので勉強法の検索はせっせとするでしょう。その結果、このブログのような記事に行き着いたとします。

でも実践しない。きっと100人この記事を見たとして、実行するのは5人もいないでしょうね。

それがその子の「実力」なんです。最初に書きましたが、「素直に実践する能力」は勉強に欠かせません

もしかしたらたった1人かもしれない、実践する可能性を感じる高校生のためにこの記事を書きました。このアホみたいに長い記事を読み切ったのだから、本気度は高いと思います。

あとは実践するだけです。その先には平均点など問題にならない高みが待ってますから。