「小学生のうちに身につけたい!『勉強』のキホン」には当たり前のようで実は知らない勉強法が詰まっている

3月のある日。私は小田原最大の本屋である有隣堂の参考書コーナーである本を探していた。

塾ブログ界の日本トップリーダーである、さくら個別指導学院の國立先生が出版された「小学生のうちに身につけたい!『勉強』のキホン」を購入しようと思ったのである。

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いや、ぶっちゃけ上のリンクを貼ったとおりネットで買えば良いのだが、昨年のブログフェスの際、直にお話をさせて頂いた(1分くらいだけど)先生の本をネットで買うのもしのびない。

やはり本屋に並んでいる様子を目にしたいではないか。

それにしても見つからない。かれこれ10分以上探しているのだが、勉強法コーナーをくまなく見ても無い。実は置いてない?

そんな右往左往しているところ、「富田先生?」と声をかけられた。まさか誰かに声をかけられるとは露ほども思っていなかったので、ビクッとしてそちらを見ると、勉強犬先生がさわやかな笑みを浮かべてそこにいた。これは恥ずかしいところを見られてしまった。

挨拶を交わしつつ本が見つからないことを白状し、半ば諦めつつ勉強犬先生についていった小学生の参考書コーナー。

果たして私の探していた本はそこに並んでいた。

そういえばタイトルは「小学生のうちに身につけたい!『勉強』のキホン」だった。思い切り小学生って書いてあるじゃん!

こうして私は目的の本が見つかってホクホクしながらレジに持っていったのだった。

苦節20分程度でゲットした逸品

以上、茶番でした(笑)。

これが1ヶ月も前のお話です。いやあ、レビューでもしようと思って読んだのですが、新学期のドタバタですっかりこんな時期になってしまいました。

時期を大きく外してしまいましたが、本気でオススメできる本ですので紹介してみたいと思います。

「点」を「線」にした一冊

世の中にごまんとある勉強本ですが、現役バリバリの塾の先生が小中学生向けに書いたものだけあって、普段我々が生徒に伝えている内容にドンピシャです。

言い換えれば、私たちが生徒たちに指導している内容とほとんど同じ。良い意味で突飛で目新しいところはありません。

この本が貴重なのは、我々が日常的に点在させていた勉強法の話を1冊にまとめた点です。

普段の授業中、まさか勉強法の話だけに終始するわけにはいかないので、やむなく時期を見ながら少しずつ生徒に伝えざるをえない内容を集約しているところが素晴らしいのです。

ウチの生徒だったら、私のブログを読めばOKです。なにしろ隅から隅まで読めば同じようなことがどこかに書いてあります。でも、そんな断片的な情報をかき集めること無く、1度に伝えることができる。本というのは非常に便利なツールですね。

小中学生の親御さんはこの1冊を読み込めば良いです。東大生の勉強法!とか暗記法とかノート術とかいりません。そんな特殊な能力を持った人が特殊なことをしたレアケースから学ぶより、ゴリゴリ最前線で生徒に対峙している人の書いた内容の方が、お子さんの悩みへダイレクトに効くでしょう。

世の中のほとんどの人は「勉強のキホン」を知らない

私たち塾講師からしてみたら、本当に「勉強のキホン」中の基本といえるスタンダードな内容が書かれています。

しかし、世間一般の親御さんからしてみたら、それは当たり前では無いんですよね。

親御さんが目にする勉強のモデルケースって、せいぜい自分の子ども2、3人と自分自身だけ。そんな少ないサンプルだけでベストな勉強法など望むべくもありませんよね。

塾講師が当たり前だと思っていることでも、普通のご家庭の保護者にキチンと伝えないと分かりません。そのツールとして大変優秀で、かつ有意義な本だと思います。

この本に書いてある通りに子どもが勉強すれば、かなりの高確率で成果を出せると思います。それだけスタンダードなことが書いてありますし、それゆえ絶対に知っておくべきことでもあるんです。

思わず「確かに!」と同意したところ

同意する部分が90%を超えてしまうので、全部書いていたら本を1冊丸パクリになってしまいます。その中でも印象に残ったところを紹介したいと思います。

読む本のジャンルは何でも良い

読書が子どもの学力向上に有益なのは今更言うまでもありません。その読書に関して完全同意なのがコレ。

ゲームが好きならゲームの攻略本でもいいのです。
アニメが好きならアニメの小説版でもいいのです。
ファッションが好きならばファッション誌でもいいのです。(P123)

まさに私自身がそうだったのです。小学校低学年までは結構読書をしていましたが、高学年になるにつれほとんど読まなくなりました。

しかし当時読みあさっていたのが「野球の技術書」です。学校の図書館で野球関係の本だけ大量に借り、徹底的に読み込みました。そのおかげで情報を読み取る力はかなり伸びたのを実感しています。オリジナルの変化球も出来たし。

未だに私は読書をしませんし、実はリアルの書店で本を買ったのが数年ぶりです。その代わり雑誌を大量に電子書籍で読むので、読む力そのものはキープ出来ています。

文字を読む能力はお堅い読書だけで培われるワケではありません。よく保護者面談でもそうお伝えしている通りですね。

勉強に子離れは必要

もう1つ印象に残ったのが、勉強面における子離れについて。

お子さんがリビングで勉強をはじめても、目は配りつつも声はかけずに他の事をする。
お子さんの手が止まってしまったり、質問してきたり、助けを求めてきたりしたときには、すぐに対応できるぐらいの距離感が理想です。(P191)

小学生も高学年になると、勉強内容そのものに保護者が介入するのはよろしくありません。一定の距離感を保ちつつも手綱は離さない。この絶妙な塩梅が難しいのですが、学習方針や内容は塾に任せ、それでいて状況はきちんと把握しているご家庭は子どもが伸びやすいですよね。

勉強法の本でありながら、このような保護者のスタンスにまで言及するのは珍しいと思います。どう考えても小学校高学年の保護者向けの本ですし、子どものために勉強法を知ろうという要望に応える本ですが、同時に口を出しすぎてもいけないと諫めるところにリアルさを感じます。

保護者の方は、この本を熟読した上で子ども本人にそっと渡して読ませるのが良いのではないでしょうか。

ちょっと違うと思ったところ

2回目も全部解くのは時間的に厳しい

私は問題集を自力で1発正解できたものはもう解かなくて良いと思っています。理想的には何度も全部解くのが良いに決まっていますが、時間の制約が許さないでしょう。

ただし、1回目で間違えた問題は、2回目で解けたからと言って終わりにせず、3回目でも同じ問題を解くのは大事だと思います。1度間違えているわけですから、そう簡単に自分を信用してはいけません。

細かいことを言うなら、1回目ですんなり解けた問題を再び解くのは「スピードを上げる」目的であればアリです。スピードが上がれば難しい問題に費やす時間が増えますからね。ただ、あくまで「出来ないモノを出来るようにする」方が優先順位は高いと思います。

漢字を覚えるときはいくつかを同時に練習する

國立先生は漢字を覚える方法としてこのように書かれています。

「語句ごとに覚えたか確認する」ことを確実にやって下さい。(P48)

私の誤読かもしれませんが、1つの語句を集中して覚えるやり方は推奨できかねます。同じ漢字を何度も書くのは脳への負担が軽いため、私の生徒には10個程度の漢字を何周も書くことをオススメしています。

何度も、ではなく、何周も、ですね。

細かいことを言うと、低学年ほど何度も同じ漢字を練習する方が良く、高学年になるにつれて何度も書かずに何周もする方に切り替えると良いでしょう。低学年は漢字の型を身につけるため、脳への負担うんぬんを抜きにして大量に書かないと手が覚えてくれないですからね。

ちなみに、その直後に語られている「ミニテストをして最終確認する」のは両手を挙げて大賛成です。

練習だけして最後の詰めをしないまま塾に来る生徒が多すぎて困ります。必ず自宅で満点が取れるまでミニテストを繰り返してやるだけで、グングンと満点率が上がっていくんですよね。

「勉強のキホン」から私が学ぶべきこと

結局のところ、私はこの「小学生のうちに身につけたい『勉強』のキホン」を生徒や保護者に配布するのが一番効率が良いのでしょう。

それだけ普遍的で価値のある情報がこの本には凝縮されています。

何より私がブログで勉強法を書いたりするより簡潔ですし、読みやすい。ムダに長いんですよね、私の文章って。ええ、自覚はあります。

それでもこの本を手にした我々塾講師がすべきことは、この本を保護者に渡す事ではないと思います。

それは、「同じ内容であっても、自分自身の言葉で生徒に伝えること」です。

確かにこの本を渡して「読んでおいてね」というのが良いのかもしれません。しかし、生徒や保護者からしてみたら「どこかの塾の知らない先生の書いた本」です。

私の教室の生徒は「私の口から話を聞く」ために来ている訳ですし、保護者の方も「私を信用してお子さんを預けて下さっている」ワケです。

たとえ同じ事を伝えるにも、やはり私が責任を負って話すべき内容なのではないでしょうか。

改めて書籍でインプットすることで、普段子どもたちに伝えている内容が独りよがりでは無いと自信が持てました。そして、私が当たり前と思っている勉強法を、生徒も当たり前と感じるようになるまで伝え続けていかなければならない。そう再認識する良い機会になったと思います。

でも、全力でオススメしたい1冊であることに変わりはありません。晴れて教室の本棚の仲間入りとなりました。ぜひ興味のある生徒は読んでみて下さい。

以上、魂の4000字レビューでした。

まあ、全員に配りたくても全員分購入するお金が無いというオチでもあるのですが。