めんどくさい比の計算を劇的に簡単にする3つの計算テクニック

このところ、中1や中3の授業で「比例式」の計算がちょくちょく登場します。数学はもちろん、理科の計算はほとんどコレです。

この計算自体は、小学生時代からずっとやっていますから、何となく出来ている子がほとんどです。まあ、一ケタの計算とか整数なら簡単なんですよ。暗算でもほいほい解けるんじゃないでしょうか。

問題は小数だったり分数だったり大きい数だったり。このときばかりは計算のスピードについて、如実に差が出ます。

今日はそんな比の計算の工夫について、ちょっとノウハウを小出しにしてみたいと思います。

比例式の基本

例題を1つ。

()x+4):18=48:54

なぜ画像にした、自分

この問題を、中1で習う比例式の計算方法に忠実に解くとこうなります。

基本的な解き方の紹介

iワークの解説にありそう

普通に解けますよね。

そして、こんな計算方法で解いているからテストが解き終わらないんだよ、と私は言いたい。

ではこれ以上のことを学校が教えてくれるかというと、それは教科書の範囲ではありませんので、学校では教わりません。それが学校というところです。塾とは役目が違います。

反対に、塾に通っていて上記の方法しか習わないなら、それは先生の能力が不足しているか、あくまで教科書通り指導して工夫について教えないというポリシーを持っている塾か、いずれかです。

1.比例式は簡単にする

分数って、とりあえず約分するじゃないですか。そして、分数と比って仕組みが全く同じなんですよね。

なら、当然比もとりあえず約分して簡単にしますよね。……これをやらない子がもの凄く多い。そのひと手間だけで大幅に簡単になるというのに。

例題でいえば、48:54は6で割れるので、約分して8:9になります。それから計算するだけでかなり数字が小さくなり、筆算の負担が激減します。

比を簡単にする例

まだまだ面倒なように見えますね

ね?だいぶ簡単になるでしょう。

2.カッコの前の数は割って消す

カッコの前に数字がある場合、分配法則を用いてカッコを外します。中1生の常識です。

もちろん普通に分配法則で計算しても良いですよ?面倒ですけどね。

何が不利なのかというと、分配法則はかけ算をするため、どうしても数字が大きくなってしまう。これがデメリットなのです。

数字が大きいと計算に時間がかかりますし、筆算も必要になります。筆算は正確に計算しやすい反面時間がかかる。できれば避けたほうが良いでしょう。

ではどうすれば近道なのかというと、カッコの前の数で両辺を割ってしまえば良いのです。今回はカッコの前に9がありますし、右辺も9で割れそうな気配がするので、両辺を9で割ります。

分配法則を使わない例

青い計算部分がミソ

すると、とても簡単に計算ができるというわけです。

ここで注目したいのは、内項の積である18×8をあえて計算しないところ。18×8=144の計算は人によっては暗算が厳しいかもしれません。そういう人は、144÷9も筆算必須になるでしょうから、まるで回り道をしているようなものです。

計算途中を見てもらえば分かるとおり、18×8を9で割るのはとても簡単です。

計算の基本方針は「なるべく数字を小さいままにする」こと。こんなひと手間で所要時間が数十秒ずつ変わってしまいます。怖いですねぇ。

3.学校では教えてくれない比の性質を使う

さて、最後に私が実際に解く手順を紹介しましょう。正直今までのが馬鹿馬鹿しくなるレベルです。

最も簡単な解き方の例

なんと3行でおしまい

どうですか?比較にならないくらい簡単でしょう?

ポイントは、赤で書いた約分です。

比は隣同士約分ができる

これは小学生でも学校で習います。6:3=2:1のように隣り合う比を簡単にする計算は、先ほどから何度も使っていますね。

これを使うだけでも楽になりますので、実際に使える中学生は多い。しかし、比はもう一つ約分できるポイントがあります。

比は同じ位置で約分ができる

言葉で言うとちょっとややこしいのですが、a:b=c:dのとき、左側同士のaとcは約分ができます。同じように、右側同士のbとdも約分できるんですね。

実はこれ、小学生はもとより、中学生や高校生になっても学校で習うことはありません。まあ、高校生でかつ理系に進んだ学生なら、おのずと気づくとは思うんですけどね。私もそのクチです。なにしろ塾には通ったことありませんので。

この法則が計算を劇的に簡単にしてくれます。

上の例をご覧頂ければ一目瞭然ですね。最初の解き方と比べてみましょう。

基本的な解き方の紹介

これが

最も簡単な解き方の例

こうなる

まとめ

学校で習った方法を定着するのは勉強の基本です。もちろんそれすら危うい人は、あまり工夫に手を出さない方がよいかもしれません。

しかし、あまりに面倒な計算はたいてい何かウラがあります。つまり別解があるんですね。基本をマスターしたら、次は別解を使いこなしていく。すると、今まで大変だった計算が簡単になることを実感できます。よりありがたみを感じるので、積極的に身につけたくなるわけです。

基礎があやふやなまま簡単な方法だけ試しても、何がメリットなのかイマイチ実感できません。すると、別解もあやふやなままに終わります。これができない子のパターンですね。

喉から手が出るほど欲しいくらいキチンと解く方法を努力して身につける。それが別解のメリットを際立たせ、より定着させてくれます。できる子は基礎の定着を怠らないので、その分相乗効果でラクな方法も使いこなせるようになります。

何が言いたいかといえば、基礎の手を抜くなよ、という事なんですけど、基礎的な解法しか知らないのももったいないよね、ということでシェアしてみた次第です。

塾で教える計算テクニックくらい、いくらでも公開すれば良いと思います。ですが、このブログで読んだだけでマスター出来るなら、それはかなり賢い子でしょうし、本当にこういう技を身につけるべき子はきっとこのブログを読まないというジレンマ。

自分で書いてて、テクニックを必要としている子に、それを身につけるタイミングや意義を誤解なく伝えるには、やはり塾という船頭が必要だなあ、と考えてしまいました。よかった、多少我々のいる意味がありました。