2019夏期特訓のお知らせ

高校説明会ダブルヘッダー前半:立花学園高等学校

この時期は周辺の各私立高校で塾対象の学校説明会が続く。何と本日は学校説明会や入試の勉強会が4つ重なったので、みんなで分担して参加をしてきた。

私が担当したのは地元私立高校の両雄、相洋高校と立花学園高校の2校である。なんとまさかの午前・午後のダブルヘッダー。合間に昼食を取るのが難しいくらいのタイムスケジュールで、参加されていた先生の中にはぼやいている方もいらした。

私は相洋高校がドアtoドアで5分かからないところに住んでいるため、のんきに自宅に帰って家事もこなしつつ昼食もとってきた。近いって素晴らしい。

午前:立花学園高校

立花学園高校は小田急新松田駅やJR御殿場線松田駅から近く、酒匂川流域の川音川沿いにあるのどかな学校だ。きっと酒匂川沿いだと誤解している人もいそう。

説明会の行われる視聴覚室(っぽい部屋)は校舎の突き当たりにあり、生徒の皆さんが授業をしている横の廊下を歩いて行くため、突き刺さる視線をビシビシと感じる。

若々しい学校VTR

もはや「若々しい」なんて言葉を発してしまうあたり自分の年齢が老い方向に傾いている証なのだが、つい先日年齢が大台に乗ってしまったので仕方ない。

流されたVTRは昨年度版との事だが、BGMのチョイスがまず青い。WANIMAやMrs. GREEN APPLEといういかにも学生がアガりそうな選曲で、高校のエネルギッシュな行事・部活動の紹介にマッチしている。

実際に中学生が説明会で目にしたら現物以上に魅力的な学校に映るのではないか(実際に綺麗で楽しそうな学校だが)。音楽の力は侮れない。きっと若い先生が作っているのだろう……これで私より上の先生が作っていたら策士すぎる。

学校紹介VTRで私の目がとまったのはPC教室の紹介。

何とiMac!どんだけ金かけてるんだろう。凄すぎる。

驚異的な進学実績の伸び

事前に目を通した説明会の資料でまず目に飛び込んできたのは、

「県西地区進学実績伸び率No.1」

というキャッチだった。

前年までもジワジワ伸び続けていた大学進学実績だが、今年の実績は確かに地域でNo.1と誰が見ても納得するようなものだった。配布された資料はサンデー毎日からの抜粋だったので、オープンな内容だ。せっかくなので簡単に抜粋してみる。

年度H27H28H29
早慶上理ICU117
GMARCH61130
日東駒専6262112

もはや説明はいらない。一体この高校に何があったのか。

実績が伸びた要因を探る

スライドを使った説明に移る。パワーポイントが白地に黒のMSゴシック。まるで中学生が初めて作ったパワポのようだが、中身はこれでもかと言うほどの面倒見の良さをアピールしたモノだった。

実績が伸びた要因はいくつもあるように思える。

「授業内週一テスト」は地味なようで重要。効果も高い。生徒はテストが無ければ自発的に勉強しない。毎週テストがあれば自ずと机に向かうし、何より定期テストに向けての準備も自然と整っていく。

「家庭学習ノート」は小学生がやらされているものとほぼ同じシステムで、毎日決められた時間だけ机に向かい、その成果を記したノートを提出するもの。

朝回収して帰りにコメントを付けて返すシステムらしいが、塾でノートチェックをしている私からしてら恐ろしい業務量で、担任の先生が心配になってくる。

その代わり効果は絶大で、そりゃ続けてやったら成果は出るに決まっている。

高校生は中学生や大人が考えているよりもずっと勉強をしない。なぜか保護者も高校生になると勉強をしろと言わない。「もう高校生なんだから」と自主性に任せる保護者は多いようだが、高校生になっても人間の中身が変わったわけではない。言われなければなおさらやらなくなるだけだ。

そんな空気感のある高校生にとって、強制力のあるシステムの効果は顕著である。

恐ろしいのは、それを学校という大きな組織でやってしまうところ。これが公立高校には絶対にマネの出来ないポイントだ。

カリキュラムの説明では、「基礎」という言葉を数え切れないほど聞いた。高1の夏までに中学英語を完璧に仕上げるとのこと。確かに立花学園高校の偏差値帯だと、中学英語は仕上がっていない。その状態で高校の英文法を詰め込んでいっても、まともに理解出来ずモノには出来ないし、気がついたら英語が苦手になっているのがオチ。

実際に授業を受けているわけでは無いので想像の域を出ないが、基礎を徹底するというからには、ただ中学校の復習をさらっとやる程度では無いだろうし、小テストで効果測定もしているはず。こうして作り上げた基礎の力はバカに出来ない。

焦らず基礎から積み上げて行く。一見遠回りなようだが、これが着実な実績に繋がっただろうというのは想像に難くない。

容赦ない公立高校との比較

普通、他校との比較はあまり行わない。我々塾のような第三者は遠慮もなくやってしまうが、当事者である高校側が積極的に他校と比較して実績を強調していたのには驚いた。

しかも相手は私立のみならず、近隣の県立高校とのガチ比較だ。

これも公開されているデータなので、書いてしまおう。2018年春、私立大学が定員の締め付けを行ったために多くの高校が爆死した一般入試のデータである。

高校西湘足柄立花学園
GMARCH以上321134
日東駒専レベル481276

これだけ見ると、「ああ、立花学園は西湘より実績がいいのね」で終わってしまうが、問題は入学者の偏差値である。

西湘高校の偏差値はおよそ55、足柄高校の偏差値はおよそ47である。一方、立花学園の偏差値平均はおよそ43。入学時の偏差値では最も下なのに、合格実績では逆転をしている。こんな客観性のあるデータもそうそうないだろう。

立花学園は、「伸ばす」を大切にする学校です。

近年ずっとポスターやパンフレットに書かれているコピーだ。データから見て、まさに有言実行と言わざるを得ない。

ちなみに小田原高校のデータも一緒に載っていたが、実績は10倍以上だった。さすがにそこは別のカテゴリか。

保護者世代のイメージを覆せるか

決して私は立花学園の回し者では無い。データと説明の内容から、「良い」と思った点をありのままに書いただけである。

ここまで褒めてきて落とすのは身もふたもないのだが、立花学園の最大の壁は「イメージ」である。

私より少し年齢が上くらいが保護者の世代だろう。この世代から見た立花学園のイメージはお世辞にも良くない。そりゃ昔はヤンキーがたくさんいたかもしれない。大学へ進学する層などほとんどいなかったのも事実だ。

もちろん現在は全く別の学校になっている。不良なんぞどこを見回してもいない。生徒たちも大学に行くのが当たり前という意識になっているそうだ。今や進学校に変貌を遂げつつある。

しかしイメージはそうそう変わらない。私は業界の人間なので、学校の内情がコロコロ変わるのも承知しているし、イメージを引きずるようなことも無い。でも、自分の子どもが入試、という限られた時期しか学校情報に触れない保護者にとって、イメージを覆すのは想像以上に難しい。

ハッキリ言って、まだ保護者の方と話している限りイメージは大きく変わっていない。つまり発信が不足しているということ。ただ、その点に関しても高校側は当然承知されているようだ。説明に立つ先生方の発する言葉の端々に「変革している」アピールが感じられた。

あとはたたき出した実績がどのように浸透していくか、どうなるか見てみたいと思う。

おわりに

もともと近年勢いのある学校という感覚はあったが、今年突きつけられた数字は驚きの一言だった。

実は校長先生がおっしゃった言葉に、こんなストレートなものがあった。

「良い教育をします」

それを聞いたとき、なんて抽象的な表現だろう、具体的には何をするんだ?と疑念がわいた。

しかし、その後示された実績を見れば、校長先生のその言葉に具体性はいらなかった。それは確かに「良い教育をしている」何よりの証拠だったからだ。

我々塾屋も成績を上げるために存在している。どんなカリキュラムなのか、どんな教材なのか、どんな設備なのかなど、全て後付けにすぎない。

モノを言うのは結果であり、それをもって「良い教育」と語れるようにならないといけないな、そう自己反省させられた説明会だった。ぜひ今後の実績の推移も注視していきたい。