2019夏期特訓のお知らせ

「作業」と「勉強」の違いを理解して勉強したつもりを防ぐ

試験対策特訓の時間、私は授業をするわけではなく、生徒の質問やアドバイスに専念している。ちょっと質問が途切れたタイミングで生徒の勉強を観察していると、見た瞬間戦慄の走るような勉強をしている生徒がいて、慌てて止める。

たいてい聞くのが、「それは何のためにやってるの?」ということ。

私はそう聞くのは、彼らがただの「作業」をしてしまっているときだ。

本人はたくさん時間をかけて「勉強」をしているつもりだが、実際にはただ「作業」をしているだけで、肝心の成果は上がらない。結局、かけた時間に見合わない結果になってしまう。もちろん何も上がらないとは言わないが、ほとんど意味はない。

作業と勉強の違い

私のいう「作業」というのは、全く得点の上がらない勉強のことを指している。

時間だけがやたらかかってしまう。では得点が上がるかというと、1点たりとも上がらない。それはもう勉強とは呼べないだろう。

特に目の届かない自宅で「作業」をしてしまうと、家族からは「あら頑張って勉強してるじゃない」と見られる一方で、実際の得点は伸びないので「たくさん勉強した割には得点が伸びてない!」と思われてしまう。実際、レコーディングノートでそういったコメントを頂くことも珍しくない。

中1生は勉強方法に関してもまだまだ素人、トライ&エラーなので、あえて「作業」をさせておきながら、あとで知識のチェックをして成果が上がってないことを自覚させたりもしている。でも、入試に直結する2,3年生はそれでは間に合わない。もう勉強のビギナーでは無いのだから、頭を使って勉強内容を考えなくては。

作業は悪か?

勉強の下準備として「作業」が必要な場合もある。例えば単語帳作りがそう。さすがに作業無しでは無茶というものだ。

時々試験範囲の単語を片っ端から単語カードに書いているうっかりさんがいるけど、いくら必要な時間とはいえ無駄が多すぎる。まず一通りテスト形式で書いてみて、その時点でスラスラ書けた単語はもうOKとしておく。

書けなかった単語に絞ってカードを作成していく。ここまでが「作業」だ。

あとは単語カードを繰り返しながら、完璧に覚えるまで繰り返す。これが「勉強」である。1度分からない単語だけに選別をしているので、多少数が減っている。絞り込みもせずに全部練習していては時間がいくら合っても足りないし、そもそも心が折れてしまう。

だから、後の勉強を効率よくやるための「作業」はどうしても必要になる。肝心なのは「作業」で満足し、終わってはいけないということだ。

作業を勉強に改善しよう

作業1.解説ページや図のまとめ直し

先日勉強していた生徒にこんな子がいた。

理科のテキストに書いてある細胞の図をノートに写し、各部の名称を書き込んでいた。ここまではインプットのための準備「作業」に見えるが、たかだかその図を写し終えるのに30分もかけているのがマズい。そのままやらせていたら間違いなく内臓の図を3時間くらいかけて写し始めそうだ。

暗記用のノートを作りたくなる気持ちは分かる。しかし、その作業にかけてよい時間の限度がある。

実はこの手の作業が好きな子は、たいてい作ったノートを使って覚えるわけではなく、ノートを作ったことで自分の実力が伸びたと思っているのだ。せめて作ったノートを赤シートで隠して何度も覚えれば良いのだが、意外とそういう設計になっていなかったりする。ちなみに前述の生徒、図から何から赤ペンで書いていた。それじゃ赤シートで全部消えてしまう。

勉強1.写さずに覚える

そんな作業をせずに、最初からテキストの図を使って覚えればよい。これが「勉強」だ。せっかく綺麗な図が書いてあるのだから、あえて自分の手書きの汚い図として写す必要は全くない。

プリントやノートのまとめ直しも同じ。我々プロがテストに出るポイントを抽出するならともかく、先生が編集したプリントをまとめ直す力量は、残念ながら中学生にはない。だったら、そのまま使えば良い話。

ただし、1度問題を解いた上で、分からないポイントに絞ってまとめるのはアリだ。それは先ほどの例にあった単語カードと同じで、自分の弱点だけに絞られているため、やればやるほど得点が上がる自分だけの教材になっている。こういった「作業」なら大歓迎だ。

でも、結局作っただけで繰り返さなかったら意味は無いのだけども。

作業2.課題の問題集を解く

当然学校から出た課題は提出しなければいけない。むしろ最優先。ただ、それをもって「いっぱい勉強したなオレ」って思うのは違う。

学校の問題集レベルの場合、1周目は「作業」である。ずっと生徒たちに言い続けていることだが、なまじ作業量が圧倒的に多いだけに「勉強した感」が半端ではない。だから勘違いしてしまう。

多くの中学生は、学校課題の問題集の提出範囲を終えた後は見向きもしない。これがただの「作業」だ、と言っている理由である。

勉強2.間違えた問題を解き直す

学校の問題集をやった際、1周目で解けた問題は、その生徒にとってもはや演習すべき問題ではない。

×がついた問題こそ、その生徒が時間をかけて考えるべき問題だ。解説をよく読んで理解したり、先生に質問したり、何なら解法をまとめたって構わない。それだけ手間をかける価値があるからだ。

さらに、理解したことを確かめるため、自力で解き直しを行う。この「出来ない問題を出来るように変える」ことが「勉強」なのだ。

解きっぱなしで×も付けっぱなしなのがただの「作業」だというのがおわかり頂けただろうか。いい加減「作業」から脱皮しないと成虫にはなれないのだけどなぁ……

まとめ

得点を上げる行動が「勉強」であり、得点の上がらない行動が「作業」である。そんな事を生徒にも伝えている。

もっとキチンと言うならば、得点を上げるのが目的なのが「勉強」だ。

では、「作業」は何なのかというと、目的が「その行動自体」になっている点が「勉強」と異なる。

単語カードを作る事が目的、ノートに綺麗な図を写すことが目的、学校の問題集を終わらせることが目的。

すべて目的がズレている。

貴重なテスト勉強の時間を「作業」だけに費やしてはいけない。その「作業」の先に「勉強」があるように取り組んでいく。今やっていることは何が目的かを考えてみると、それが「作業」なのか「勉強」なのか分かるだろう。

困ったことに、「作業」の方が終わりがハッキリしている分達成感があり、「勉強」は終わりが無いので暗中模索が続く。でも、テストで得点を上げるのに必要なのは、分からないことにチャレンジする事。

かなりしんどい道だけど、テストが終わったときの達成感は得点の上がった「勉強」の方。それは間違いないと思う。

ということで、たまには文体を変えてお届けしてみました。あまり意味は無いけど。